From NY

2019年3月12日

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田村明子 (たむら・あきこ)

ジャーナリスト

盛岡市生まれ。1977年米国に単身留学し、1980年から現在までニューヨーク在住。著書に『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)、『知的な英語、好かれる英語』(生活人新書)、『女を上げる英会話』(青春出版社)、『聞き上手の英会話』(KADOKAWA/中経出版)など。翻訳書も多数。フィギュアスケートライターとしても知られており、『銀盤の軌跡』(新潮社)などの著書もある。

 3月5日から、ニューヨークのメトロポリタン美術館で「The Tale Of Genji」(源氏物語)特別展示会がオープンした。6月16日まで、およそ3カ月余り開催される。

「源氏物語展」の巨大なポスター(撮影:筆者、以下同)

 世界でも最大規模の一つであるこのメトロポリタン美術館が創設されたのは、1870年のこと。現在17部門に分かれていて、今回の源氏物語展が開催されたのは、アジア美術部門の日本美術セクションである。このアジア美術部門だけでも、3万5千点以上のコレクションが保管されているという。

 今回の「Tale of Genji」は、これまで日本の外で開催された源氏物語をテーマとした美術展として、最も包括的な展示会とされている。

 屏風や絵巻物、書などからマンガのイラストまで、約120点が8テーマに分けて展示されており、目玉の一つである俵屋宗達の屏風など、中にはこれまで国外不出だった国宝も含まれている。

「レイディ・ムラサキ?
レイディ・ガガなら知ってる」

 五番街に面している正面玄関の横には、土佐光起の手による紫式部の肖像画が、巨大な展示会ポスターとなって飾られている。 

 この入り口の階段の部分には、天気の良い日は大勢の観光客たちが座り込み、飲み物などを手にしながら疲れた脚を休める。

 「レイディ・ムラサキ(紫式部の英語名)を知っていますか?」と観光客らしい女性の二人連れに声をかけると、

 「レイディ・ガガなら知っているけれど」と、お茶目な返事が返ってきた。才能ある女性という意味においては共通しているけれど…。

 あなたの後ろにあるポスターの女性ですよ、今から千年前に世界で初めての長編小説を書いたとされる日本の貴族です、と答えた。

 ああ、展示会は見たわ。すばらしかったです、との答え。筆者もさっそく入り口の荷物検査を終えて、中に入った。

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