“熱視線”ラグビーW杯2019の楽しみ方

2019年5月25日

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 今年9月に開幕するラグビーワールドカップ。実は各国の軍隊と自衛隊による「もう一つのワールドカップ」が日本で開催されることをご存じだろうか――。

ラグビー自衛隊代表チーム

 ラグビーワールドカップ2019日本大会に先立ち、「もうひとつのラグビーW杯」と呼ばれる国際防衛ラグビー競技会が9月9日から日本で開催される。この大会は海外軍や自衛隊によるラグビーの世界大会である。2011年に始まり、4年に1度のラグビーW杯開催に合わせて行われ、今回で第3回を迎える。過去、ラグビーW杯開催国がホスト国となるのが慣例となり日本開催の運びとなった。

 日本は2015年の英国大会から参加し、結果は残念ながらプール戦は3戦全敗。親善試合(プレート戦)に回りジョージアに1勝したものの、任務の関係でその後のプレート戦を辞退し、帰国の途についた。ちなみに前回の決勝は英国とフィジーで争われ、フィジアンマジックとしてラグビーファンから愛されるフィジーの優勝で幕を閉じた。

 今回の出場チームは、ラグビーが盛んな国々で日本が招待をしたオーストラリア、フィジー、フランス、ジョージア、ニュージーランド、パプアニューギニア、韓国、トンガ、英国の各国軍隊(選手30人、スタッフ6人)で組織されたナショナルチーム。それを日本の陸・海・空の自衛隊の精鋭で組織された自衛隊日本代表が迎え打つ。

 大会形式は全10チームによるトーナメントと敗者同士による親善試合が予定されている。W杯の本大会に出場するそれぞれの国代表と同様に防衛ラグビーも強豪国が多く、フィジーなどは国代表からは漏れてはいるもののそれに準じるクラスの選手たちの集まりだという。さらに前回大会の雪辱を誓うラグビーの母国・英国は、前回は陸・海・空軍ごとにチームを出していたが、今回は「連合艦隊」で臨んでくる。各国ともに「代表」としての意識は高い。また、ニュージーランド(ハカ)、トンガ(シピ・タウ)、フィジー(シビ)は試合前にはお馴染みの「ウォークライ」を行う時間もしっかり準備されている。

 まさにラグビーの国際大会であり「もうひとつのワールドカップ」と呼ぶにふさわしい。

自衛隊の代表合宿を取材した5月16日、陸上自衛隊朝霞駐屯地のグランドでは45人が楕円球を追っていた。自衛隊の日本代表は全国の自衛隊ラグビー部員600人の中から精鋭30人に絞り込んでいく。今回はそのセレクション合宿の3回目。日本代表の核となるのは関東ラグビーフットボール協会トップイーストリーグ・ディビジョン2に所属する船岡自衛隊(宮城県)と習志野自衛隊(千葉県)の選手たちだ。

津留崎幸彦選手

 チームを引っ張るのは船岡自衛隊に所属する津留崎幸彦2等陸曹。天理高校・天理大学の出身で花園や大学選手権に出場経験のある選手で、前回の国際防衛ラグビーにも出場している。

 「自衛隊の強みは規律と個々のディフェンス力。それをチームとしていかに高めることができるかが課題。海外チームは体格が大きいのでロースコアのゲームに持ち込み、数少ないチャンスをものにしていきたい。目標は優勝です」と主催国としての意気込みを語った。

 自衛隊日本代表の監督を務めるは元日本代表で現駿河台大ラグビー部監督の松尾勝博氏。第1回~3回のラグビーW杯に日本代表の司令塔として出場した経験を持っている。合宿を重ねてチームとして進むべき方向性を一つにまとめているという。

 「練習に取り組む姿勢や向上心がすばらしい。自衛隊員は日頃から厳しい規律の中で生活しているため、メンタルの強さと規律心、仲間をリスペクトする気持ちが強い。これは試合中のピンチとチャンスに強みとして表れるだろう。

 それに持ち味のスピードとアジリティ(俊敏性)を生かしていけば体の大きい海外のチームにも戦える。

 初戦はフランスが勝ち上がって来ることが予想されるが、荒っぽいラグビーには付き合わず緻密に組み立てたラグビーで対抗したい」

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