“熱視線”ラグビーW杯2019の楽しみ方

2019年5月25日

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松尾勝博監督(左)と東考三コーチ

 また、コーチを務める東考三氏は習志野自衛隊員からラグビートップリーグの強豪NECに転職して活躍した異色の経歴の持ち主だ。その東氏が再び自衛隊に戻ってフォワードの強化に当たっている。

 「体格差はあるがスピードで勝負したい。8人がしっかりまとまればスクラムも押せるだろう。今後はトップリーグと合同練習や試合を組みながら強化を進めていきたい」

 ではなぜ、こうした防衛関係者による大会が開催されるのか、大切なことはその目的である。

 防衛省・自衛隊のHPによれば、「国際防衛ラグビー競技会を開催し、ラグビー競技を通じた交流により、各国軍との相互理解を深め、信頼関係を強化し、もって我が国と諸外国との防衛協力・交流を推進するとともに、政府一体となって取り組んでいるラグビーワールドカップ2019日本大会への機運醸成の一助とする」と記されている。注視すべきは前半の部分だろう。

激しい競技だから
お互いをリスペクトする

 防衛省国際防衛ラグビー競技会準備室の3等陸佐の若松忠司氏はこう補足する。

 「ラグビーは激しく戦う競技ですが、試合が終われば相手チームと握手をして、肩を組み、お互いに健闘を称え合うノーサイドの精神に貫かれています。防衛交流とは異なりスポーツによってこれまで交流のなかった国々とも関係が結ばれるようになりました。これも本大会の大きな意義だと考えています」

 激しい競技だからこそ、お互いをリスペクトする気持ちが生まれ、それが信頼関係を醸成していく。それがラグビーという競技の本質的なところであり、それが核となっている。それを国際防衛にも生かそうということなのだ。軍服ではなく、関係がフラットなラグビージャージだからこそ理解が深まり、関係が築けることもあるだろう。本大会のような取り組みは、ラグビー以外の他の競技では聞いたことはなく、防衛省が主催するスポーツの国際競技会も今回のラグビーが初めてのことだと若松氏はいう。

 また、大会期間中はラグビー以外にも関係強化や相互理解を深めるための交流がそれぞれの国同士で計画されていくだろうとのことである。本大会を単なる交流に留まらせることなく、相互理解を深めさらなる関係強化を図るためにはプレーでいかにリスペクトされるかだろう。スポーツの競技会である以上それが前提である。日本人らしく緻密に練り上げた知と心技体で世界を迎え撃ってほしい。

<大会概要>
開催期間は2019年9月8日(日)~9月24日(火)で開会式は9月9日。日本代表の初戦は9月15日、フランスとパプアニューギニアの勝者と陸上自衛隊 習志野演習場グランドで対戦する。決勝戦は9月23日 千葉県の柏の葉公園総合競技場で行われる。
大会はすべて一般公開され無料で観戦することができる。(https://www.mod.go.jp/j/publication/olympic/idrc/index.html

  
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