前向きに読み解く経済の裏側

2019年7月29日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。主に調査関連部署に勤務した後、2005年に銀行を退行して久留米大学へ。著書に『増補改訂 よくわかる日本経済入門』(朝日新書)、『老後破産しないためのお金の教科書』(東洋経済新報社)、『世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書』(宝島社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)など多数。

 景気対策で消費税率をゼロにするという発想は悪くないが、色々問題が多い、と久留米大学の塚崎公義教授は説きます。

(kudou/gettyimages)

発想は悪くないが、問題は景気対策の規模と、景気対策手段の選択

 減税によって景気後退リスクを軽減し、経済成長を確実なものとし、かつ庶民に優しい消費税率引き下げという手法を採用しよう、という政策は、発想としては悪くないと思います。

 積極財政論者である筆者から見ると、現在の情勢下では、減税するリスク(財政赤字拡大が様々な問題を引き起こす可能性)より減税しないリスク(景気が後退に転じるリスク)の方が大きく見えます。

 諸外国の景気後退等の影響で国内景気が後退に転じる可能性は決して小さくないので、積極財政が求められていると思っています。

 しかも、法人税や所得税の減税と比べると、消費税率引き下げは庶民に恩恵が及びやすく、したがって消費の刺激策として優れた効果が見込まれるでしょう。

 しかし、実際に消費税率をゼロにするとなると、様々な問題が出てきます。

 この問題を考えるに際し、筆者は問題を二つに分けて考えたいと思います。「大規模な景気対策を採ることの是非」と「景気対策をするとしたら、消費税減税がベストな選択肢か否か」です。

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