中国はいま某国で

2012年4月6日

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谷口智彦 (たにぐち・ともひこ)

慶應義塾大学大学院SDM研究科特別招聘教授

明治大学国際日本学部客員教授。2008年7月まで3年間外務省で外務副報道官。元日経ビジネス記者、編集委員、ロンドン外国プレス協会会長。著書に『同盟が消える日』(編訳、ウェッジ)など。(2013年1月末日現在)

 米ワシントンにある中東メディア調査研究所(MEMRI)で南アジア研究を率いるトゥファイル・アーマド氏が伝えたところ、パキスタンのウルドゥー語新聞の報道に、インドとの国境紛争地帯全体を中国に50年間のリースに出すとするものがあった。

中国、印パ国境を開発か

各国の思惑が入り混じる緩衝地帯
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 1962年の中印戦争以来、中国、インド、パキスタンが接する一角は紛争が絶えず今日に至る。別掲図で薄茶色の一角が問題の地域。これをパキスタンは中国へ租借させるという話だ。

 初めに同地域の開発に名を借りて中国軍が浸透し、時を置いて50年租借の契約を結び、中国が管理下に入れるという。草案段階なのか確立した政策なのかはまだ判断できない。

 ギルギット・バルティスタンと呼ばれる問題の地域には既に中国軍が常駐しており、数は一説によると7000から1万強という。1個師団または2個旅団が展開していることになる。加えて地図の緑色部分、パキスタンが実効支配するカシミール地方にも、3000~4000の中国兵が入っているとの観察がしきりだ。

 米印の接近と米パの離反、アフガニスタンからの米軍撤退など地域力学の変化に、中国がパキスタンとともに反応した結果か。印パという一触即発の関係に中国が自動的に関与してくる可能性が高まる。50年租借など実施すべきでないことを国際社会は中国に伝える必要がある。

チェリーQQ車
ブラジル市場へ浸透

 南米に先行参入し一定の評価を築いたら本丸米国を狙う。それが中国自動車メーカーの戦略だと言えそうだ。

 スウェーデンのボルボが中国企業(吉利汽車)に身受けされた今、中国車はそろそろ米国消費者の認知を得る頃かと言えばさにあらず。GfKカスタム・リサーチ調べによると中国車の購入を検討すると答えた米国人は38%しかいない(昨年8月)。ドイツ車と日本車は76、75%だった。

 事情は南米一の大国ブラジルへ行くと随分違う。2011年8月同国専門誌(Carro)のメーカー別信頼度調査は、ブレーキ制動時間など全体13項目中6項目で首位となった中国車「チェリーQQ」をトップに選んだ。

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