経済の常識 VS 政策の非常識

2012年6月25日

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 民主党政権の終わりが近いと何度も言われてきたが、それでもなんとか持っている。ここで民主党政権とは何だったかと考えてみる価値はあるだろう。

 ほとんど半世紀にも及んだ自民党政権に飽きたが、その受け皿がなかったという状態をともかくも破壊したのは民主党の功績だ。

 民主党が、「コンクリートから人へ」というスローガンをもって2009年8月30日の衆議院選挙を戦ったとき、多くの人はなんらかの期待をもって民主党に投票したのだろう。私は、他はともかく、「コンクリートから人へ」というスローガンに全面的に賛成である。もっとも、世論調査によると、民主党が掲げた具体的政策、高速道路無料化、子ども手当、農家戸別所得補償などの個々の政策が、選挙民にそれほど高く評価された訳ではないようだ。

 要するに、自民党政権でうまくいかないのだから、ともかくも代えてみたかったというのが、民主党の一番大きな勝因だったのだろう。

新鮮にみえたが
すぐに失望された

 政権に就いて新閣僚が指名された時、自民党時代の大臣が「図らずも重責を担うことになり」などと言いながら役人の書いたメモを読んでいたのに対し、民主党の大臣が、各省に対する総理からの指示を自分の言葉で説明する姿を新鮮に思っただろう。その後の事業仕分けでも、国の予算がこんなつまらないことに使われていると具体的に指摘され、役人がやり込められている姿に喝采した国民も多かっただろう。

 しかし、国民の期待はすぐさま失速した。民主党は、国の予算を組みかえれば、子ども手当など16・8兆円の施策を増税なしに実現できると言っていたのだが、とうていそんなことはできないと分かった。仕分けで生みだせたお金はせいぜい1~2兆円にすぎなかったからだ。

 しかし、麻生政権の末期にはリーマンショック対策として19・2兆円増の大盤振る舞いをしているのである。まず、これを元に戻してから予算の組み替えを考えるべきだった。

 鳩山政権が、沖縄基地の問題でにっちもさっちもいかなくなったことは、日本にとっては大問題だが、多くの選挙民にとっては、民主党に決定的に愛想をつかすほどの問題ではなかったのではないだろうか。鳩山由紀夫氏が退陣して、総理が菅直人氏に代わった後には、沖縄の基地問題になんら進展がある訳でもなかったのに、内閣支持率は一時は60%前後に戻ったからだ。

 混雑でふらふらになった高速道路無料化はともかく、子ども手当や農家戸別所得補償は、予算を受け取る側の人々に評判が悪い訳ではない。自民党も、自分たちが政権に戻った後では農家戸別所得補償を止めようとは言っていないようだ。ただし自民党は、子ども手当には執拗に反対し、児童手当という名称に戻すことにこだわった。

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