WEDGE REPORT

2012年7月20日

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 ミャンマーに入国するには、観光でも、商用でも、ビザを取る必要がある。北品川にある在ミャンマー大使館には、ビザ申請の人で行列ができている。取材をするには、取材用のビザが必要で、観光、商用よりも取得するのが難しい。それでも通常であれば2~3日で発給されると聞いていた。

 今回の取材では、余裕を持って申請した。ところが、待てど暮らせど大使館からは連絡がない。こちらから電話をかけても全く繋がらず、2週間が経ってとうとう大使館まで出向くことにした。受付係は「本国に問い合わせないといけない」と話す。どうやら、取材となると本国にお伺いを立てないといけないらしい。2007年、軍事政権に対する反政府デモを取材していた日本人ジャーナリストが、軍の治安部隊に銃撃され亡くなった。彼は観光ビザで入国していたため、そのことが影響していたのかもしれない。

「空港から何かしらの監視が付くだろう」

 結局、本国から許可が出たのは申請してから1カ月後だった。6月17日、いよいよミャンマーに向けて出発。バンコクを経由して約8時間のフライトで、ヤンゴンに到着した。現地時間19時。日本とは、マイナス2時間半の時差だ。入国審査の列で一番目立つのは日本のビジネスマンだった。ここでも、取材ビザを見せたら、根掘り葉掘り質問攻めにあうのではないかと警戒した。

 出発前に日本で何人ものミャンマー通に取材したが、みな異口同音に「空港から何かしらの監視が付くだろう」と言っていた。しかしそれは、杞憂に過ぎなかった。

タクシーに飾られていたアウン・サン・スー・チー氏率いる最大野党NLDの旗

 審査官は何事もなく入国させてくれた。余りにもあっけなかったため、緊張の糸が切れてしまった。

 タクシーを拾ってヤンゴンのダウンタウンに向かう。途中、横から強引に割り込む車があり、タクシーの運転手が「あんな運転するのはきっと軍人だ。横柄な軍人は嫌い」と話かけてくる。以前は、公衆の面前で軍事政権を批判すれば秘密警察に連行されたため、こんなことは軽々しく口に出せなかったと言う。

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