日中もし戦わば


世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。

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米海軍大学準教授のホームズが、Foreign Policy誌のウェブサイトに8月20日で掲載された論文で、全く仮定の話として、もし東シナ海において、日中が、仮に米国の介入なしに、海上で戦闘をしたらどうなるか分析し、数の上では中国の方が遥かに優勢であるが、日本側の伝統的な士気、練度は高く、また、南西諸島に対艦ミサイルを配備できれば、結果は五分五分、あるいは日本が勝つかもしれない、と述べています。

 すなわち、日本は、主要海上戦闘艦艇48隻、ディーゼル潜水艦16隻を持つのに対して、中国は、主要海上戦闘艦艇73隻、ミサイル艇84隻、潜水艦63隻を持っている。

 日本はかつての黄海海戦の時代のように新興の意気に燃えているわけではないが、日本の海上自衛隊は、高い練度の伝統を維持している。

 戦争は、数だけで決まるものではない。実戦において、数がどういう効果を発揮するかはわからない。冷戦時代、戦略家ルットワックが言っていたように、閉鎖社会のソ連海軍はその欠点を隠すという弱みがあったが、それは中国海軍にもあてはまる。日本海軍は、良く訓練し、他国の海軍とも共同演習をしている。中国海軍はソマリア沖以外では、あまり活動していない。要員の能力は日本の方が上だ。

 中国は、大陸にミサイルを配備して900マイルにわたる周辺海域を制圧できる点で有利だが、日本は南西諸島に対艦ミサイルを配備すれば、地上砲火とともに中国海軍を封じ込めることが出来る。日本は既に支配下にある地域を守れば良いのだから、もし北東アジアの海域が、日中双方の火力によって誰も通行できない場所になってしまえば、それは、政治的には日本の勝利ということになる。

 また、日本は自国を防衛すればよいが、中国は、南シナ海を空っぽにして東シナ海に集中は出来ないだろう。東シナ海で多数の艦艇を失えば、せっかく築いた中国の世界的大艦隊が失われてしまう。

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