チャイナ・ウォッチャーの視点

2012年9月27日

»著者プロフィール
著者
閉じる

有本 香 (ありもと・かおり)

ジャーナリスト

企画会社経営。東京外国語大学卒業後、雑誌編集長を経て独立。近年とくに中国の民族問題の取材に注力している。『中国はチベットからパンダを盗んだ』(講談社)『なぜ、中国は「毒食」を作り続けるのか』(祥伝社)の他、近著に『中国の「日本買収」計画』(WAC BUNKO)がある。

 6852――何を表わす数字か、おわかりだろうか? おそらく多くの方が即答できないのではないかと思われるが、この数字、わが国を構成する日本列島の島の総数である。このなかには、わが国人口の80%が住む本州から、徒歩で島一周できるほどの小さな無人島までが含まれる。いまや世界のメディアが伝える「ホット」な場所となった沖縄県石垣市の尖閣諸島もそうした無人島群である。

 その尖閣をめぐる最近の出来事、とくに今月、中国各地で起きた「反日暴動」についてはすでに多くが語られてきた。ことに暴動発生の背景――中国共産党指導部内の権力闘争や失政隠しの思惑、人民の生活現状、心理――といった「あちらの事情」についてはそれこそ百論出揃った感がある。そこであえて、それらとまったく異なる角度からこの問題を捉え直してみることとする。

「わが国固有の領土」について
どれほど知っているか?

 およそ数カ月前、筆者はインターネット上の短文投稿サイト・ツイッターを通じて、「日本はいくつの島から成っているか?」と尋ねてみたことがある。筆者のアカウントをフォローしてくださっている方は割合に、「国土」に関心の高い方が多いと思われるのだが、それでも正解を即答した人はたった一人で、たしか6000くらい、という近い数を答えられた人も数名にすぎなかった。

 筆者含め、われわれ日本人は、日頃よく自国のことを「島国だから云々」と気軽に口にする。にもかかわらず、われわれはその島国たる自国の国土に関し、実に乏しい知識しかもちあわせていないのである。

 尖閣諸島についてですら、いまでこそ、ニュースで連呼されるから、それが沖縄県石垣市にある島だということが辛うじて知られるようになった。が、いまから2年前、尖閣沖で、中国の「漁船」が日本の海上保安庁の巡視船に体当たりする事件が起きる以前は、日本国民の大半が、尖閣諸島がどの県のどの自治体に属すのかなど頓着してはいなかった。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る