世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年10月22日

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 9月18日付 Financial Times紙は、尖閣諸島をめぐる日中間の対立を社説で取り上げ、中国は、尖閣諸島をめぐる紛争を平和的に解決すると繰り返してきたが、中国国内に広がる反日デモの様相から、紛争を外交的手段で収拾するのは不確かな状況になってきた、と述べています。

 すなわち、尖閣諸島領有を巡る中国の反日デモは広がっているが、中国政府は抑制しようとしているとは思えない。過去中国共産指導部は、党に対する信頼を回復すべく、愛国主義的感情、特に反日感情を煽ってきたが、その弊害が出てきている。今回の大規模な抗議運動は、愛国主義が抑制できなくなる危険を示唆している。日中両国は冷静に対処すべきである、と論じています。

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 この論説が書かれて以降、満州事変の発端となった柳条湖事件の日が過ぎましたが、その日のデモの被害は心配された程ではありませんでした。また、予定されていたはずの何百隻の中国漁船の尖閣諸島接近も実際には起こらず、事態は一応沈静化しています。

 中国政府にとっての最大の懸念は、社説も指摘するように、愛国主義的抗議活動が抑制できなくなり、特に、反日デモが反政府デモに転化することです。中国政府としては、反日デモをコントロールする微妙な舵取りが必要です。

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