世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年12月12日

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 モロッコ週刊L'Observateur紙発行者のアーメド・チャライ(Ahmed Charai)が、10月24日付のNational Interest誌ウェブサイトで、モロッコ、ヨルダン両王国は、対イラン政策を含む中東諸政策について、GCC(湾岸協力機構)諸国と利害が一致し、両国のGCC参加は、混迷する米国の中東外交にとって援けとなろう、と論じています。

 すなわち、2011年5月、GCCは、湾岸国でもなく、産油国でもない、モロッコとヨルダンを参加させると言う歴史的決断を下した。

 エジプトのムバラクを失った後、米国の中東政策は混迷しているが、中東政策の新たな柱が出来た。この2王国は、今までもシリアの難民対策などに、乏しい財政の中で協力してきた。しかし、今後は、サウジアラビアから5年間で10億ドルの援助を得られることになる。これは、米国の財政も逼迫している中で、米国の負担を軽減することにもなる。

 イラン問題については、種々の制裁措置から空爆に至るまでの諸政策を、この2王国は支持する用意がある。ただし、これは湾岸諸国も同じであるが、現在の核をめぐる対立関係後の、より先の遠い将来を考えて、イランとの関係の維持も考えている。

 湾岸諸国が、1970年代に独立したとき、公安情報機関の設立を指導したのはモロッコだった。また、モロッコは、米国やイスラエルのユダヤ人とも友好的な関係にある。また、中東諸国の真の安定は民主主義と法の支配の定着にあるが、GCCもまた徐々にその方向に向かっている。カタールはアルジャジーラに、サウジはアルアラビアに言論の自由を許している。モロッコとヨルダンの2王国は民主化に向けて範を示しつつある、と述べています。

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 チャライは、モロッコの新聞、ラジオ界の大御所であると同時に、ワシントンの諸研究機関の理事にも名を連ねている評論家ですから、この論説は、参考になります。

 GCCは、2011年5月にヨルダンの加盟申請を受諾すると同時にモロッコに対しても加盟招待を発しました。今のところ、正式加盟の予定は決まっていませんが、事実上の協力関係は着々と進んでいるようです。

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