WEDGE REPORT

2013年1月21日

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朝野賢司 (あさの・けんじ)

一橋大学特任講師

1974年福岡県生まれ。京都大学大学院にて地球環境学博士号を取得。産業技術総
合研究所バイオマス研究センター特別研究員を経て、2007年より電力中央研究所
社会経済研究所主任研究員。2015年4月より現職(兼任)。著書に『再生可能エネルギー政策論 買収制度の落とし穴』(エネルギーフォーラム社刊)など。

 資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会(以下調達委)が本日、1月21日から再開される。調達委の最大の役割は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(Feed-in Tariff、以下FIT)の来年度(平成25年度)の調達価格(買取価格)を査定し、経済産業大臣に答申することにある。価格の最終決定は大臣が行うことにはなっているが、昨年は調達委の意見が完全に採用されており、調達委が「適正な買取価格」を査定できるのか否かが、最も重要である。

 しかし、WEDGE2012年12月号の記事(前篇後篇)で報じたように、昨年の調達委では査定はほとんど機能しなかった。特に木質バイオマス発電は、地方の振興、山林・林業の復活、安定的エネルギー源の確保などの観点から、関係者の期待を集めているが、その第1号機を徹底取材したところ、事業開始前の説明と異なるコスト構造が明らかになった。標榜されていた山林への利益還元も十分ではない。さらに、再生可能エネルギー固定買取制度はあらゆるコストが勘案され、十分な利益も出せるような形で、発電に対する買取価格が決定されているにもかかわらず、複数の補助金が重複して給付されている事実も判明した。

 特に調達委は、設備投資補助金等の重複補助を認めるのかどうかは注目される。昨年秋の新事業仕分けにおいて、FITと二重補助になることから、予算計上を見送るべきとされた一方で、新政権発足後、農水省は平成25年度予算入れ替えとして復活要求を行っているからだ。

 今回、再開される調達委に合わせて、WEDGE2012年12月号の記事を再掲することとしたい(前篇はこちら、後篇はこちら)。なおこの記事の続編として執筆した「買取価格の決定過程で本来なされるべきだった査定プロセス」については、こちらをご一読頂きたい。

◆WEDGE2012年12月号より

 

 

 

 

 

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