ルポ・少年院の子どもたち

2013年4月8日

»著者プロフィール

 「一般的に障害者とは支援を受ける側という弱いだけのイメージがあります。しかし、本当にそうでしょうか? それぞれに人格があり、それぞれに能力があります。もちろん健常者に比べ制約はありますが、能力を活かせるところはたくさんあるんです。社会はそれを理解し、もっと積極的に障害者を活用すべきだ」

 筆者と初瀬が初めて会ったときの彼の言葉である。

 私もそう思っている。精神的な面だけでも、真摯に障害と人生に向き合っている姿勢が、様々な形で人を励ましたり、結び付けたり、気づきをくれる。それは社会という器の中では誰もが助け合い、支え合い、生かし、生かされているということだ。

 視覚に障害を負っていたり、車いすの生活を余儀なくされていたりするアスリートたちが、真正面から障害と闘いながらも世界一を目指している。

 それが「どうせ俺なんか……」と社会と正面から向き合えない少年たちに良い刺激を与えることはできないだろうか? 目に見える身体的なハンデは、少年たちに障害を乗り越え、夢や希望を持って前向きに生きることの大切さを教えてくれるのではないだろうか。

 障害者は支援を受けるばかりではない。夢だって、希望だって、勇気だって与えられる存在なのではないかという筆者に「ぜひチャレンジさせてほしい」と初瀬は応えた。それが茨城県水戸生涯学習センターを経由して今回の少年院の講話に繋がった。

「健康なのに死にたいなんてダサい」

 「全員立って、目を閉じなさい」「左に一歩!」「前に二歩!」。水府学院の磯辺裕行法務教官は、声だけを頼りに動くよう指示を出し、目が見えないことがいかに不安を感じることなのか体験させた。

 「みんなにも、それぞれの不安があったと思います。でもそこで別の道を選んでしまった。諦めずにそこで頑張れば、また違った道があったはずなんです。自分を活かせる道があるんです。それを今日は初瀬先生から教わったのです」と講話を終了した。

 初瀬の講話を聴いた少年たちの声を一部拾ってみよう。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る