世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年4月22日

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 ジョージ・ワシントン大学教授のシャンボウ(David Shambaugh)が、3月18日付NYTに「中国に失恋して」と題する論説を寄せ、中国の対外イメージが悪化しているが、中国はその改善のために実体的な政策の変更などの措置をとる必要がある、と論じています。

 すなわち、中国は世界強国になるに伴い、対外イメージの重要性を認識し、対外宣伝を強化している。しかし不十分である。

 ピュー研究所の調査では中国のイメージはよくない。ここ10年、否定的な見方は拡大している。欧州で最悪だが、アメリカやアジアでも悪化してきている。ロシアでは表面上は良いが、その下には歴史的猜疑心、移民問題、中央アジアでの戦略的競争などがある。

 中東、アラブ諸国でのイメージは、シリア、イラン支持、国内でのイスラム弾圧によって、悪くなっている。アフリカでもここ3年、資源獲得のための中国人の進出で悪化している。中南米でもそうである。

 米国との関係は中国にとり最重要だが、ここでも不信が大きくなってきている。双方ともに不信関係が敵対関係にならないように管理する必要があるが、双方ともに、深い相互依存の中で戦略的競争を取り扱った経験をもたない。

 中国の対外イメージの悪化は世界的現象だが、その背景は地域ごとに異なる。

 欧州、中南米、米国では、経済的脅威とみなされており、アジアでは、軍事力増強によって評判を悪くしている。西側にとって、中国の人権問題は懸念事項であり続けている。

 こういう不満の下には、中国の、不透明で腐敗した権威主義、商売のやり方がある。

 中国は成長しており、対外イメージはあまり問題にならないとも見えるが、そうではない。悪化する対外イメージゆえに、習近平は対外政策で困難に直面する。懐疑の目で見られることなどは、世界的強国たることと不可分であるが、中国は外国の批判を真剣に受けとめるべきである。

 すぐやれることがある。ハッキングはやめるべきだし、市場はもっと開放し、知的財産権は保護し、国連の市民的・政治的権利に関する人権規約に加入すべきである。

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