世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年6月11日

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 5月8日付米Diplomat誌で、Andrew S. Erickson米海軍大学准教授は、米国防総省による中国軍事力に関する報告書に関して、2012年度版は出版が遅れ、内容も乏しいと批判されたが、本年度版は、中国の軍事力について多々参考となる好資料となっていると、その内容を紹介しています。

 すなわち、この報告書は、通常実態がよく分らない中国の軍備について、米政府の権威ある判断を示した好資料である。

 一般的に言って、中国は、長期的にはそれが意図した通りのものを実現しているが、それに至る詳細は隠避されている。

 中国海軍の行動は中国側によって隠されているが、この報告はそれを詳細に示している。中国によるグアム、ハワイなど米国の周辺のEEZでの活動は合法的なものであるが、それは中国周辺のEEZにおける中国側の主張と矛盾するものである。

 原子力潜水艦については、中国はやがて、5隻の最新型SSBN Type 5を配備するが、そこから先は次世代SSBN Type 6を今後10年間に配備することになろう。この国防総省の判断は今までの中で最も総合的かつ詳細なものである。また、ASBMについては、1500km射程のDF-21D ASBMを配備しつつあると言っている。これも今までにない総合的な判断である。

 この報告書によれば、中国は、世界最大級の長距離地対空ミサイルシステムを配備しつつあるようである。

 また、中国は、世界のトップと比肩できる造船国となったと報告している。

 他面、中国は、高深度対潜能力に欠けていると報告している。また、高度のコマンド・アンド・コントロールにおいて経験も人員も不足していると述べている。

 米中共同訓練については、中国側は時として政治的理由で忌避することもあるが、継続するよう努力すべきだと、述べている。

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