今月の旅指南

2013年6月21日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 若狭湾に面した、福井県最西端にある高浜町(たかはまちょう)に、今年、祭り年が巡ってきた。巳(み)と亥(い)の年に開催される佐伎治(さきち)神社の式年大祭「高浜七年祭(たかはましちねんまつり)」だ。町内の旧高浜地区を挙げての一大祭典となり、祭りの期間中、町は熱気と興奮に包まれる。

曳山の1階には囃子(はやし)方が乗り、2階が舞台となる

 七年祭が最初に文献に記されたのは、今から444年前の永禄12(1569)年のこと。巳と亥の年に実施されるのは陰陽思想に基づくもので、実際には6年おきだが、数えで“七年祭”と呼ばれるようになったという。

 「七年祭は京都の祇園祭同様の御霊会(ごりょうえ)で、疫病のもととなる怨霊を海に流し、無病息災を祈願します。芸能の多彩さがこの祭りの特徴で、神輿(みこし)あり、曳山(ひきやま)あり、お田植や神楽、太刀振(たちふり)など、まさに無形文化財の宝庫といえるでしょう」と、佐伎治神社宮司の赤坂康夫さん。

足洗いの儀が挙行される鳥居浜には3基の神輿が集まってくる

 1週間かけて繰り広げられる祭りは、中ノ山、西山、東山の3基の神輿が町内を巡幸(じゅんこう)し各御旅所(おたびしょ)に向かうで神幸祭(しんこうさい)でスタートする。2日目は7基の曳山が神社に集まる“山上がり”。曳山の舞台では小学生が演じ手となる。曳山は3・5・6日目にも御旅所や各地区に特設された本陣を巡行し、各種芸能を披露する。曳山が動く日は、神輿は出ないのが原則。初日に続いて神輿が巡幸するのは、中日祭(ちゅうにちさい)となる4日目と、最終日の還幸祭(かんこうさい)だ。還幸祭では、3基の神輿がもみ合いながら鳥居浜(とりいはま)へ向かい、波打ち際を進んで、“足洗いの儀”を執り行い、祭りもフィナーレを迎える。

 期間中は2万人を超える観光客が訪れ、1・2日目と最終日は大混雑する。芸能や神輿を間近に見るなら、3~5日目がお勧めとか。

 「町の人にとって、祭りは生きる目標のようなもので、大きな存在です。開催が長期にわたるので、祭り年には会社に頼んで休みをとる人がほとんどです。小学校も曳山の出る日は休みになります」

 総勢5000人の老若男女が参加する、高浜七年祭。祭りが終わると、また次の祭りまでがんばろうと意欲が湧いてくるのだという。

高浜七年祭
<開催日>2013年6月30日~7月6日
<会場>福井県高浜町・佐伎治神社(小浜線若狭高浜駅下車)
<問>高浜町文化遺産保存活用協議会(高浜町役場まちづくり課)☎0770(72)7705
http://www.town.takahama.fukui.jp/7nenmatsuri/about/

◆「ひととき」2013年7月号より

 

 

 

 
 

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