世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年7月3日

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 6月6日付け仏ル・モンド紙(電子版)は、オランド仏大統領の国賓訪日に合わせて、東京特派員の記事を掲載しました。その内容は、日本、とりわけ現政権にとって、好意的なものになっています。

 すなわち、日本は、仏大統領の訪問先にしては、従来、優先度は低かった。1982年のミッテラン大統領、1996年のシラク大統領に続き、オランド大統領は、日本に国賓として訪問する3番目の仏大統領にすぎない。オランド大統領にとって、2月のインド、4月の中国訪問がそれぞれ1泊を超えなかったのに比べ、2泊3日の日本滞在は、特別な事である。

 オランドの日本訪問には3つの目的がある。1つ目は、サルコジ政権下の5年間に悪化した日仏関係を修復すること。2つ目は、経済大国日本との交流を強化すること。そして、3つ目は、より広く、フランスにとってのアジアの重要性を確認することである。

 オランド大統領は、大統領に就任してから、日本との関係に気を遣ってきた。就任して4日後の2012年5月19日には、当時の野田総理と、初めてのアジア首脳との個別会談を、G8の場で行なった。それに応じて、日本側は、オランド大統領を国賓として日本に招いた。仏大統領府は、6月6日夜の安倍総理との「私的夕食会」や翌日の皇居公式訪問は「特別な扱いの表れ」だとする。

 オランド大統領の訪日は、日仏関係修復の良い機会になるだろう。特に、安倍政権の積極的姿勢は、それを後押ししてくれる。フランスの対アジア外交は、中国に一極集中するのではなく、他のミドル・パワー、特に、アジア最古の民主主義国、日本との関係を深めることになる。フランスは、対アジア外交を強化する方向にある。この一年間の間に、オランド大統領は、アジア太平洋の殆どの首脳と会っている。

 日仏関係は、様々な分野で一致を見る。外交分野では、双方は、殆ど同意見である。ミッテラン大統領以来、フランスは、日本の国連安保理常任理事国入りを支持してきた。そして、恐らく、オランド大統領は、最近のマリへの介入に対する日本の支持に感謝するだろう。

 今回のオランド大統領の訪問は、日仏経済関係の強化にも資するだろう。特に、イノベーションの分野と原子力の分野での協力が期待できる。日本は、2011年3月の「福島」後(「ポスト・フクシマ」)を模索しなくてはならない。その中で、安倍政権は、原発の再稼働を検討している。アレヴァ社は、約30基の原子炉の安全性の確認に協力することになる。また、日仏は、トルコやヴェトナムの原発でも協力する。

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