世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年8月27日

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 米AEIのマッザ、ブルーメンソール、シュミットが、7月24日付の論文で、中国の台頭をはじめとするアジアのパワーダイナミクス、中東・北アフリカの不安定、米の国防費削減が、日本の資源安全保障を脅かしているが、代替供給源とサプライチェーンには、不安定な海上輸送ルートという新たな脆弱性があるので、日本の資源安全保障を高めるために、中央アジアなどへの日米共同投資、日本によるシーレーン防衛の強化、米国によるシェールガスの輸出が必要である、と論じています。

 すなわち、中国が自己主張を強めていることは、アジアの、とりわけ日本の安全保障環境を損なう大きな原因となっている。中国との紛争に加え、日本は、北朝鮮問題、中東・北アフリカの不確実性、中国の台頭への対処についての東南アジアの分断、米国の国防費大幅削減などにも留意しなければならない。こうした安全保障環境の変化は、日本国内で、日本経済を支える外国からの、死活的に重要な天然資源供給の安全保障について懸念を呼び起こしている。

 重要資源の安定供給についての困難は、日本の商用および防衛産業の発展を危機にさらし得る。日本は、既に代わりの供給源を探しているが、代替供給源はインフラを伴う新しいサプライチェーンを要する。

 新たな供給源の獲得と新たなサプライチェーンの構築は、新しい脆弱性をもたらすであろう。海上ルート、特にアジア沿岸を結ぶルートは、海洋における領域紛争によって引き起こされる海洋問題に影響を受けるし、日本の努力を、中国が自国のサプライチェーンへの脅威、あるいは、海洋権益の侵害とみなせば、北京は、地域の緊張を高めるようなステップをとるかもしれない。この問題は深刻であり、米国と米国のアジアの同盟国・パートナー国との間での協力を高める方向で議論する必要がある。

 こうした状況に、如何なる政策で対応すべきか。

 日本がここ数十年維持してきた重要資源のサプライチェーンは、ますます多くの問題を抱えるようになっているように見える。しかし、もし日本が米国と手を携えれば、レアアースやLNGなどの重要資源に関する脆弱性を解決することは、日本の能力の範囲内のこととなるであろう。

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