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カジノ解禁へ向け「地固め」進めるパチンコ業界

Wedge編集部

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ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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 仮にダイナムが日本版カジノのオペレーターになったとすると、同一グループが運営する娯楽施設の片方が合法、片方がグレーゾーンという奇妙な状態となる。

 1つの議論として出てくるのが「パチンコ換金合法化」である。パチンコホールにおける換金行為は違法という声も強く、限りなく「クロ」に近いグレーゾーンで営業をしているに過ぎない。これを合法化しようという動きだ。

 合法化へは様々な障壁があるが、平等性の確保が最低条件の1つと言われる。パチンコ機はパチンコホールが釘調整(厳密には違法)で利益をコントロールしているのが現状であり平等とは言えない。

 そこで考案されているのが、ECO遊技機(封入式パチンコ機)である。玉は機械内を循環する仕組みで、封入密閉であることから釘の調整や基盤変更が物理的にできない。客観的な透明性が確保され、合法化に一歩近づくというわけだ。

 パチンコメーカーSANKYOは遊技機の特許を最も多く保有し、関係者は「毎年50億円程度の特許使用料収入がある模様」と話す。封入式パチンコ機に関する数多くの特許も10年以上前から出願し、取得している。

 12年末時点の全国のパチンコ機台数は約300万台。合法化の流れが加速し、規則改正となれば、パチンコホールは封入式パチンコ機に入れ替えなければならなくなる可能性がある。封入式パチンコは「1台100万円程度」(関係者)と言われており、すべて置き換えられると、3兆円規模の金銭がホール側からメーカー側に流れることになる。封入式の多くの特許を有するSANKYOは他社が作った封入式パチンコ機が売れたとしても特許使用料が入る。SANKYOにとってはカジノ解禁そのものより、パチンコ合法化に関心がある。

 「グレーゾーンだから儲けることができる。ヘタに動いて目立つことはむしろマイナス」と話すパチンコ業界関係者も多く、今のところ各社の動きに統一感はない。

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◆WEDGE2013年9月号より

 

 

 

 

 

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