世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年10月18日

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 9月20日付米New York Times紙で、Thomas Erdbrink同紙記者は、イランは核交渉に向けて柔軟な姿勢を示しているが、これは制裁による経済の疲弊に対処するためと、最高指導者ハメネイが青信号を出したためである、と述べています。

 すなわち、核交渉に向けてのイランの外交攻勢が目立つ。ユダヤ教の新年に際し、ツイッターで世界中のユダヤ人に挨拶を送ったり、政治犯を釈放したり、オバマ大統領と書簡を交換したりした。ロウハニ大統領はNBCとのインタビューで、イランは核武装することはない、と述べた。

 過去にも外交的雪解けはあったが、やがてしぼんでしまった経緯があり、西側では今回のイランの態度についても懐疑的見方が多い。が、イラン専門家達は、米国との直接対話というタブーが破られていること、ハメネイが同意していると見られることから、今回は今までと違うと見ている。

 イランの柔軟姿勢の原因は、制裁による経済の疲弊で、ロウハニ大統領に近い政治評論家のFarshad Ghorbanpourは「経済的理由がいまや米国と話す政治的理由を正当化している」と言っている。

 ハタミ元大統領も改革を試みたが、イランの政治中枢の強い支援を得ることはなかった。Ghorbanpourは、今回は「ハメネイ師が青信号を出した。過去のように交渉を妨害するグループはないだろう」と述べている。

 テヘランに住む政治評論家のMohammad Ali Shabaniは、ロウハニは、1)20%濃縮ウランの撤廃、2)付属議定書の批准によるIAEA査察の一層の受け入れ、を議論する用意がある、と言っている。

 イランはフォルドの地下濃縮工場の閉鎖にも応じるだろうとの西側報道もあるが、Shabaniは、「フォルドは軍事攻撃の際のイランの保険であり、閉鎖の可能性は先ずない」と言っている。

 今回のイランの外交攻勢は、ロウハニが大統領候補の時に述べた趣旨をもとに入念に準備されたものであり、その特色は「反アフマディネジャド」である。

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