2024年4月30日(火)

BBC News

2024年4月15日

ウクライナ軍の総司令官オレクサンドル・シルスキー将軍は13日、東部戦線の状況がここ数日で「非常に悪化した」と述べた。東部ドンバス地方では現在、いくつかの村で激戦が続いている。

シルスキー総司令官は13日にソーシャルメディアを更新。気候が暖かくなり、戦車を進めやすくなったため、ロシアが戦術的な戦果を上げていると述べた。

また、ロシアが装甲車による攻撃を激化させたため、東部戦線の状況が悪化していると説明した。

ウクライナ東部では現在、破壊されたバフムートの西側にあるボフダニウカ村をめぐる戦闘が激化しているという。

ロシアは今年2月にアウディイウカを占領した後、ウクライナが維持しているチャシウ・ヤルに狙いを定めている。ボフダニウカは、チャシウ・ヤルから北東数キロのところにある。

ウクライナ高官は、西側諸国、特にアメリカからの軍事支援が停滞した結果、ウクライナは空からの攻撃を受けやすくなり、戦場でも武器の数で大きく劣るようになったと述べている。

米連邦下院のマイク・ジョンソン議長(共和党)は、ウクライナの防衛に尽力すると繰り返し表明したにもかかわらず、新たな軍事支援法案を議会に提出していない。民主党が過半数を占める上院は今年2月、ウクライナへの600億ドルの援助を含む新たな資金を可決したが、下院の共和党保守派は国境警備のための資金が含まれていないとして法案に反対した。

シルスキー総司令官は、新たな援助と高度な武器がなければ、ウクライナは数で勝るロシア軍から「戦略的イニシアチブを奪う」ことができないだろうと述べた。

ドイツが防衛システムを追加供与へ

ドイツ政府は13日、ウクライナに防衛システムを追加供与すると発表した。ウクライナはこのところ、対空ミサイルの供与を切実に要請している。

首都キーウでは12日、ロシアの空爆によって主要発電所が完全に破壊された。政府関係者によると、トリピッリャ火力発電所はキーウ州を含む3地域における最大の電力供給源だった

ドイツはこうした状況を受け、ウクライナに地対空迎撃ミサイル「パトリオット」を追加供給することで合意。同ミサイルは、ロシアの最新鋭の極超音速空対地ミサイル「キンジャール」も迎撃可能だという。

ドイツのボリス・ピストリウス国防相は、ウクライナの都市やエネルギーインフラに対するロシアの攻撃が、甚大な被害をもたらしていると述べた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はドイツの決定に感謝し、「ウクライナへの真の支持表明だ」と述べた。

ヘルソン州知事の暗殺を阻止と

ウクライナ保安庁(SBU)は、南部ヘルソン州のオレクサンドル・プロクディン知事の暗殺計画を阻止したと発表した。当局によると、2人の男がロシア製ドローン(無人機)でプロクディン氏の車を攻撃しようとしたという。

プロクディン氏はメッセージアプリ「テレグラム」に、「これは最初の暗殺未遂ではないし、おそらく最後でもない」と投稿した。

SBU関係者はまた、2024年に入ってから11のロシア工作員ネットワークを摘発したと述べた。SBUのヴァシル・マリュク長官はテレグラムの別の投稿で、これは昨年の47件に加えてのことだと述べた。

(英語記事 Ukraine army chief says Russia making significant 'gains' in east of country

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cydr355r664o


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