2024年4月30日(火)

BBC News

2024年4月16日

中国・北京で14日にあったハーフマラソンで、アフリカの選手3人が、中国のスター選手を意図的に勝たせた疑惑が浮上し、主催者が調査を進めている。

この大会の映像では、ケニアのロバート・キーター選手、ウィリー・ムナンガト選手、エチオピアのデジェネ・ハイル選手と並走していた中国の何傑選手(25)が、ゴールラインを指差され、先に行くよう手ぶりで促されているように見える。アフリカの3選手はスピードを落としたようにも見える。

北京市体育局の広報担当はAFP通信に、この件について調べを進めていると説明。「結果が分かり次第、公表する」と述べた。

この大会のスポンサーで、何選手と契約している中国のスポーツブランド「特歩(エクステップ)」は、「状況を複数の関係者が確認・検証中だ。できるだけ早くさらなる情報を提供する」と中国の国営メディア「澎湃」に話した。

世界陸連はBBCに、「今週末にあった北京ハーフマラソンの映像がオンラインで出回っていることを認識している。また、現地の関係当局が調査を進めていると理解している」と説明。「世界陸連では陸上競技の高潔さを最も重視している。調査が進行中なので、これ以上のコメントはできない」とした。

ムナンガト選手はBBCスポーツ・アフリカに、アフリカの3選手はペースメーカーとして走ったと説明。「なぜ私のゼッケンにペースメーカーと表示されず、私の名前が入っていたのかわからない」と話した。

また、もともと4選手が、中国のハーフマラソン記録(1時間2分33秒)を何選手に破らせる契約を結んでいたが、うち1人は完走できなかったと話した。

このレースは結局、何選手が1時間3分44秒のタイムで優勝。新記録の達成はならなかった。2位タイとなったアフリカの3選手とは1秒差だった。

ムナンガト選手は、「競うために出場したのではなかった」、「自分にとっては厳しいレースではなかった」と話した。

そして、「私の役目はペースを作り、彼(何選手)を勝たせることだった。だが残念なことに、彼は国内記録の更新という目標を達成できなかった」と付け加えた。

出場した他のランナーはまだ誰も、この事案についてコメントしていない。

何選手は昨年、中国・杭州で開かれたアジア大会のマラソンで金メダルを獲得した。中国のフルマラソンの最高記録を保持している。

中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」では、この結果への批判が上がっている。「何傑のキャリアで最も恥ずかしいタイトルであることは間違いない」との投稿には「いいね!」が1000以上つけられた。

このほか、「これほどメジャーな主催者の、これほど有名なイベントでこんなことがあり、スポーツマンシップが本当に失墜している」という投稿もあった。

(英語記事 Beijing half marathon: Organisers investigating controversial finish

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c2le55l94wxo


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