2024年5月4日(土)

BBC News

2024年4月22日

東京・伊豆諸島沖で20日夜、海上自衛隊のヘリコプター2機が訓練中に衝突して墜落したとみられる事故で、22日も行方不明者7人の捜索が続いている。この事故ではヘリコプターに乗っていた隊員1人の死亡が確認されている。

現場海域ではヘリコプターに乗っていた男性隊員1人の遺体が収容されたほか、墜落したヘリコプター2機のフライトレコーダーや回転翼の羽根などと見られる残骸が回収されている。しかし、22日夕時点で行方不明者の発見には至っていない。

岸田文雄首相は22日の衆議院予算委員会で、「任務遂行のための厳しい夜間訓練のさなか、大切な隊員を失ったことは痛恨の極みだ。殉職した隊員に対し心から哀悼の意をささげるとともに、引き続き7人の行方不明者の捜索・救助に全力を尽くしたい」と述べた。

事故原因はまだ明らかになっていない。

木原稔防衛相は22日、ヘリコプター2機のフライトレコーダーからデータを抽出できたとし、現時点で機体に異常があったことを示すデータは確認されていないと説明した

ヘリコプター2機にはそれぞれ、4人の隊員が乗っていた。2機は潜水艦を探知する夜間訓練に参加していた。

日本メディアによると、20日午後10時38分ごろ、伊豆諸島の鳥島沖でヘリコプター1機との通信が途絶えた。

その1分後、このヘリコプターから緊急信号を受信した。25分後には、同海域でもう1機との通信が途絶えた。

事故を受け、自衛隊の艦艇10隻と航空機5機による捜索が開始された。

「捜索は24時間体制で昼夜を問わず行われた」と、海上自衛隊関係者はAFP通信に語った。

事故機は米シコルスキー社の「シーホーク」をベースに三菱重工が製造した哨戒ヘリ「SH-60K」。「シーホーク」は主に、海軍の駆逐艦で運用されている。

事故当時、現場周辺に他国の航空機や艦艇などはなく、海上自衛隊はこの事故に他国が関与していた可能性は低いとしている。

日本政府は、中国がアジア地域で強硬姿勢を強めていることから、防衛予算を拡大し、アジアにおいてアメリカや韓国との協力関係を深めている。

2023年4月には、沖縄県宮古島沖で陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」が墜落し、第8師団長の坂本雄一陸将など、乗っていた隊員10人が死亡した。生存者はなかった。「ブラックホーク」とも呼ばれる同ヘリは消息を絶った当時、周辺海域を偵察飛行中だった。

(英語記事 Japan helicopters crash: Search ongoing for naval crew in the Pacific

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c97z9245d08o


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