喧嘩の作法

2014年2月19日

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久慈直登 (くじなおと)

日本知的財産協会専務理事

1952年岩手県久慈市生まれ。日本知的財産協会専務理事。本田技研工業株式会社知的財産部長を経て2012年より現職。主要論文としては国連世界知的所有権機構による世界への環境技術普及のための「WIPO Green」として採用された「プロバゲイティング グリーンテクノロジー」など。

 2013年11月28日、ジュネーヴでWIPO(世界知的所有権機関)グリーン公式スタートの大イベントが行われた。フランシス・ガリ事務局長のすぐ隣には国連関係者ではなく日本知的財産協会からの出席者が座り、ガリ事務局長からこのプログラムは日本知的財産協会の提案によるものであったという紹介がなされた。

 WIPOグリーンは、環境技術を展示する世界のデパートのようなものである。既に1000件以上の環境技術が登録されているが、そこでは環境技術の所有者がライセンス可能な技術を表示し、また必要とする国、企業がどういう環境技術が欲しいかを表示することができる。マッチングができればそのあとはサポートが入りビジネスが始まる。この仕組みによって技術ライセンスが活発になることが世界の環境を救うことにつながる。

環境技術を必要とする発展途上国は多い
(提供:Imaginechina/アフロ)

知財制度の“不都合な真実”

 今から6年前、ベトナムでWIPO主催の2週間知財交渉トレーニングコースがあった。これは主として大学の教員を対象とし、ハノイ地区とサイゴン地区(ベトナム人は懐かしさをこめて今もこういう)の各大学の教授グループに分かれて模擬交渉をするものだが、私はハノイチームのリーダーで、サイゴンチームはアップルの元ライセンス部長であった。グループに分かれて交渉することにより知財ライセンスを学ぶのだが、途中でいろいろな問題が見えてきた。ベトナム人の特許ライセンスは今も1年間で30件程度の登録であり、外国人のものは700件程度である。日本で年間20万件前後が登録になるのに比べると、ベトナムの特許ライセンスは例外的といえるほど少ない。他の途上国も実は同じようなものである。

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