喧嘩の作法

2013年11月19日

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久慈直登 (くじなおと)

日本知的財産協会専務理事

1952年岩手県久慈市生まれ。日本知的財産協会専務理事。本田技研工業株式会社知的財産部長を経て2012年より現職。主要論文としては国連世界知的所有権機構による世界への環境技術普及のための「WIPO Green」として採用された「プロバゲイティング グリーンテクノロジー」など。

 模倣品は中国の港で船に積まれて世界中に輸出される。製造国の中国で裁判をおこして止めることができればいいのだが、時間がかかりすぎるし結果としてうまくいかないこともある。かといって輸出先の各国で個別に裁判をするのはあまりにも大変な上、輸出先を変えられると簡単に逃げられる。何かいい対策はないものだろうか。

「玄関口」を押さえ
模倣品の拡散止める

 世界地図をじっと見ると、各大陸に向かう船がいつも通過する港があることに気がつく。中国から西に向かうと多くがシンガポールとドバイに立ち寄るし、東に向かうとパナマとチリに立ち寄る。そこにはフリーゾーンという経済特区があり貨物の検査をしている。貨物が知財の権利を侵害している可能性がある場合、通報する制度があるところもある。これを使わない手はない。

(出所) ウエッジ作成
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 南米行きの場合、パナマで押さえることができればベネズエラ、コロンビア、ペルー方面への模倣品を止められるし、イキケで押さえればボリビアとチリ、ブエノスアイレスで押さえればアルゼンチン、ウルグアイとパラグアイを止められる。

 税関は基本的には税金をとる仕事と思っていたが、知的財産侵害には想像するよりも遥かに良く対応してくれる。それもそのはず、彼らの仕事は世界の物流を監視することであり、各国の税関が仕事のレベルを競い合うところもあり全般にレベルが高い。

 そうはいっても商品についているマークが本物か偽物かという判断になると、企業側でサポートしなければいけない。税関で偽物と判断して通関を止めたところ、実は本物でマークをちょっと変えた新バージョンだったり、海外の子会社がマークの形や色を勝手に変えたりすれば税関は判断を間違える。企業は、自社のマークのどこが特徴であるかを事前に税関に伝えておき、判断が難しいときの確認ルートをつくっておくといい。つまり信頼関係の確立である。

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