グローバルビレッジになることで
日本のインフラ輸出を増やすことができる

新Nippon人を考える(2)


八尋俊英 (やひろ・としひで)  日立コンサルティング取締役

1965年生まれ。日立コンサルティング取締役。IT分野の投資銀行業務を学んだ長銀を最初に、ソニーを経て中途採用第1期生として2005年経済産業省入省、情報処理振興課長、官房参事官を経て退職。直近2年はシャープにて新ビジネスに取り組み、クラウド技術開発本部長、2012年11月退職。2013年1月より現職。4月より東大生産技術研究所協力研究員。一貫して新しい部署・新設ポストで新開拓を続ける。

ReSET

»最新記事一覧へ

東京大学の大学院に留学している中国人女性と話をした。日中の政治状況などは関係なく、高校までに慣れ親しんだ日本のアニメ、漫画などを通じて日本文化が好きになり、高校で日本語を選択、通常の日本人と同じ試験で東大に合格した才女である。日本語も流暢で、笑いも日本人に似たセンスを感じさせるためか、名前を聞かなければ留学生とはとても思えない。

 実は私もロンドンに留学したとき、隣のマレーシア系中国人からシンガポール出身か? と声をかけられたことが縁でカナダ、英国などのいずれも華僑の学生グループと交流、英語力不足で分からない授業のノートを借りることができて卒業している。

 振り返ってみれば、もともと日本には北から南から海を越えて、たくさんの渡来人が来ている。日本人はそうした外国から来た人を分け隔てせずに温かく迎えた歴史を持つ。中国沿岸部の高所得者、あるいは急速に成長するインドネシアなどアジア各国にとっても、もしくは先進国の台湾から見ても、日本の安全な医療衛生システムには定評がある。かつての渡来人からの恩恵に敬意を表して高齢者の移民についてエンジニアから医者まで専門職を中心に幅広く積極的に受け入れてはどうだろうか? 国際都市には母国語で話せる医者は重要だ。

 シリコンバレーのようなIT頭脳に秀でた世界のハブばかりがこれからの「グローバルビレッジ」ではないであろう。例えば、地球規模で食糧生産が中長期で安定的にできる地域、おいしい水が供給できる地域は限られる。まさに日本はその限られた地域の一つだ。

 世界中の様々な経験を経たシニアが日本に集まれば、世界の生きた賢人「データベース」が生まれて、海外に行きたくない日本の若者は、日本にいながらにして世界の頭脳に接することが刺激になるかもしれない。

1
nextpage
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
「ReSET」

著者

八尋俊英(やひろ・としひで)

日立コンサルティング取締役

1965年生まれ。日立コンサルティング取締役。IT分野の投資銀行業務を学んだ長銀を最初に、ソニーを経て中途採用第1期生として2005年経済産業省入省、情報処理振興課長、官房参事官を経て退職。直近2年はシャープにて新ビジネスに取り組み、クラウド技術開発本部長、2012年11月退職。2013年1月より現職。4月より東大生産技術研究所協力研究員。一貫して新しい部署・新設ポストで新開拓を続ける。

WEDGE Infinity S
ウェッジからのご案内

Wedge、ひととき、書籍のご案内はこちらからどうぞ。

  • WEDGE
  • ひととき
  • ウェッジの書籍