WEDGE REPORT

2014年2月14日

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 2月9日投開票の東京都知事選。即時原発ゼロを掲げた細川護煕候補と応援団・小泉純一郎氏の元首相コンビは惨敗に終わった。都知事選の結果から、原発への「民意」を読み解くことはできるだろうか。

 3.11後、政治的には原発推進派は鳴りを潜めている。安倍政権は原発の再稼働を目指しており、その意味で原発推進派なのだが、総選挙、参院選における自民党、都知事選における舛添要一候補の公約は「脱原発依存」に分類されるものだ。将来的な脱原発をイメージさせつつ、目先の再稼働については抑制的に表現する。このスタンスでなければ選挙には勝てないと考えているのだろう。たしかに、ひとり原発推進を明示した田母神俊雄氏は4位に沈んだ。

 しかし、この曖昧戦略は、再稼働やエネルギー基本計画の策定など、節目節目で手戻りの議論を呼び起こし、決定を遅らせ政権の体力を奪う。選挙には勝っても、曖昧さの代償をいつまでも払うことになる。

 一方の脱原発派はどうか。細川・小泉陣営から人心が離れたのは、政治家は方針さえ示せばよい、後は専門家や官僚に任せればよいという姿勢ではなかったか。原発事故から約3年が経過し、脱原発のデメリットや代替エネルギーの脆弱さは繰り返し議論されてきたのに、方向性すら示さなかったのは理解に苦しむ。

小泉純一郎元首相の「神通力」は消えたか(1月14日、細川護熙氏の都知事選出馬表明、提供:Natsuki Sakai/アフロ)

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