ウェッジ新刊インタビュー

2014年3月28日

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中田正則 (なかた・まさのり)

フリーライター

1956年京都府生まれ。早稲田大学卒。出版社等勤務を経て1986年に独立。以来、主として雑誌媒体で、ビジネス・経済・経営・人事分野の取材記事やインタビュー等を中心に執筆。

いまや65歳以上の10人に1人が認知症になると言われ、〈認知症800万人時代〉というフレーズが新聞・週刊誌の誌面に躍っている。
認知症は治るのか、アルツハイマー病の原因は、遺伝子治療の研究は進んでいるのか、早期発見・治療は可能か。治療薬・ワクチンは効くのか、また予防のための食事療法・サプリメントは有効なのか――。情報洪水のなかで、いたずらに怯えたり、間違った情報を鵜呑みせず、正しい知識をもって適切に対処することが必要だろう。
『これだけは知っておきたい 認知症Q&A55』(小社刊)の著者で、アルツハイマー病研究の第一線にある丸山敬氏に、昨今の研究動向、認知症を取り巻く現状について伺った。

――厚生労働省研究班の推計によれば、「認知症」の患者数は2012年時点で、予備軍とされる「軽度認知(機能)障害」(MCI)まで含めると、800万人を超えるとも言われています。認知症に関する情報も氾濫していますが、その適正な知識となると、意外に知られていないように思えます。

丸山敬氏(以下、丸山氏):実は「認知症とは何か」を定義するとなると、非常に難しいのです。例えば、ある専門書では「脳器質性疾患によって慢性的に生じた認知機能障害状態の総称」という、わかったような、わからないような定義になっています。

 では、ここでいう「認知機能障害」とは何か。おおざっぱに言えば「何となく知的能力が衰えた状態、記憶が衰えた状態で、本人がそれを自覚していない状態」といったところでしょうか。

 さらに、その知的能力の低下はなぜ起こるかとなると、詳細は不明というのが現状です。認知症は脳の機能不全なのですが、人間の脳の機能はいまだ全くと言っていいほど解明されていません。したがって定義が難しいのは当然なのです。

 認知症の代表格であるアルツハイマー病に関しては、「脳の中に老人斑とタングル(神経原線維変化)という構造が異常に増加した認知症」という厳密な定義があります。ただし、知的能力の低下を引き起こしている原因については、やはり曖昧としているのが実情です。

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