【WEDGE創刊25周年特集】英知25人が示す「日本の針路」

2014年4月25日

「私は実質的な学歴は高卒といっても過言ではありません。ほとんどのことは、大学と関係なく自学しましたから」。企業や学生など様々な人にリベラルアーツ教育を行ってきた麻生川静男氏は歴史や古典、語学や科学技術など幅広い分野で深みのある教養を蔵している。実体験に基づき、真のグローバルリーダー育成のために必要な改革を説く。

麻生川静男(あそがわ・しずお)リベラルアーツ研究家。1955年生まれ。独ミュンヘン工科大学や米カーネギーメロン大学(CMU)に留学。京都大学大学院精密工学研究科修了後、住友重機械工業入社。おもにソフトウェア開発に従事。05~08年、カーネギメロン大学日本校プログラムディレクター。08~12年、京都大学産官学連携本部・准教授、ベンチャー支援や国際人のグローバルリテラシーの授業、留学生向けの英語授業(KUINEP)などを行う。現在、リベラルアーツ研究家として、日本語と英語で講演活動や企業研修を行う。博士(工学) (撮影・阿部卓功)

 日本人は世界で存在感を発揮できていません。25年後を見据えれば、グローバルで活躍できるリーダーをいかに育てるかが喫緊の課題です。

 『アフリカ駐在物語』(斎藤親載・著、学生社)にこんな記述があります。

 「(一般的にアフリカでは)日本人は愛されるが尊敬されない。英国人は嫌われるが尊敬される」

 日本は明治維新以来、西欧文明の輸入に勤しんできましたが、その幹であるfreedom(言論の自由)と principle(原理・原則)の概念が未だに浸透していません。理より情が優先し、故・山本七平が指摘した「空気」の力によって、異論は圧殺されます。これは、日本にdiversity(多様性)が足りないからです。

 欧米含め世界には「空気」はありません。「君のprincipleは何だ」と大人から子供まで、自由に、競うように意見を言い合います。日本人はprincipleがなく、ただ好かれようとするだけですからグローバル社会では尊敬されないのです。議論すると化けの皮が剥がれてしまうのです。

 日本人全体の5%でいい。この層が、グローバルで活躍できるリーダーになるか、尊敬されるかによって、今後の国力は大きく左右されます。日本にdiversityを作るのは現実性がないので、5%の層に、なるべく若いうちに世界に出て、実地の経験を積んでもらうべきでしょう。

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