「あのう、〇子は、このところ、学校に行っていないのです……」と不安げにお母さん。
「え、〇子ちゃんは、お絵かき教室には来ていますよ」とワイフ。
ワイフは、毎週木曜日の放課後に「『色・いろ・いろ』水彩画教室」を主宰しています。〇子ちゃんは、学校の1階のコミュニティルームで開催するこのお絵かき教室には休まずに来ています。
「そうなんです、○子はお絵かき教室には『行きたい!』と言って行くんですよ。でも学校の校門はくぐれないようなんです……」とお母さんは続けます。
校門とコミュニティルーム入口への門は、10mほどの生け垣を挟んで横に並んでいるのですが、どうも校門は苦手のようなんです。
○子ちゃんの行動は、ある種の「小1プロブレム」的な現象なのでしょうか。
お母さんを孤独にしないこと
「小1プロブレム」についてはさまざまな説がありますが、環境の変化により集団生活や規律ある生活になじめない子どもの現象といえるでしょう。小学校1年生に目立つことから、そのように言われています。
さて、〇子ちゃんのお母さんは「学校とは話し合っていない」とのこと。そこで、お母さんの了解のもと、ワイフが教頭さんに連絡しました。
教頭さんは、すぐに○子ちゃんの担任や教師集団と話し合い、ほどなくして○子ちゃんは校門をくぐれるようになり学校へ通うようになりました。
この間にワイフがしたことは、〇子ちゃんのお母さんを孤独にしないで励ましたことです。若い母親が孤独になり、「自分の責任ではないか」と抱え込むと、子どもなりに親の想いを感得して自分が悪いのではないかと感じ、ますます解決しにくくなる場合もあるからです。
だって、お母さんも〇子ちゃん自身も原因がわからないのですからね。
それと、〇子ちゃんは、学校の敷地や建物が嫌いなわけではないことも前向きなこととして理解しあいました。