世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年6月9日

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 米国のランディ・フォーブス下院議員が、National Interest誌ウェブサイトに4月29日付で掲載された論説で、中国の台頭は米国の軍事戦略概念の変化を強いる出来事であると指摘し、米陸軍がアジアにおいて果たすべき役割について述べています。

 すなわち、私(フォーブス)は、アジア太平洋地域の安定とグローバル・コモンズへの継続的なアクセスを維持するためには、強固な海軍力と戦力投射能力が極めて重要であると、何度も説いてきた。しかし、米軍における力点の置き方が変わるからと言って、それは、海軍・海兵隊と陸軍の間のゼロサム・ゲームを意味するわけではない。

 忘れがちだが、陸軍は、何千人もの兵士を日付変更線の西側に駐留させ、抑止、兵站、訓練を提供している。ハワイ、アラスカに加え、韓国に18500人、日本に2400人、フィリピンに480人が駐留している。陸軍は、何十年にもわたりアジア太平洋地域で活動しているので、アジア太平洋へのリバランスを必要としていない。

 アジア太平洋を強調することは、海兵隊を、イラクとアフガンでの第二の陸軍としての役割から、本来の水陸両用の役割に回帰させる。陸軍は陸軍で、米国の同地域での国益を支持するための様々な能力を提供する、数多くの機会を持っている。

 第一に、陸軍に関する計画と能力を、陸を拠点とした攻撃的システムにシフトさせることである。陸軍は、過去十年、対ゲリラ戦に焦点を置いてきたが、陸を拠点とする新しい弾道ミサイルや巡航ミサイル戦力を構築するのに、より多くのリソースを振り向けるべきである。携帯型および地上配備型ミサイルの部隊は、敵国の接近阻止・領域拒否(A2/AD)能力に大きなリスクを与え、敵国がパートナー国の近くで作戦を遂行することを妨げることにより、陸軍が地域の安定に貢献できるようにする。同盟国間で統合されたA2/AD システムは、地域における敵対的行動のコストを大きく引き上げるであろう。中国の攻撃を抑止するために、パートナー国との統合を強化し、陸上ベースのA2/AD ネットワークを目指すことは、自然な選択肢である。

 第二に、防空およびミサイル防衛(AMD)への貢献である。西太平洋における米国の能力を強化し分散させることは、常に課題の一つであるが、陸軍は、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)やパトリオットのような、AMDシステムの能力を向上させることにより、統合軍の生存性を高めることに、より貢献できる。AMDプラットフォームをより移動可能にし、隠匿可能にすることは、将来の戦闘環境では、重要な投資となろう。

 第三に、パートナー国との紐帯を強化し、能力を高めることである。地上軍は、パートナー国の安全保障戦略の重要な要素であり、米国とこれらの他国の地上軍の協力強化により、米国とアジア太平洋の同盟国の関係を、より強力的なものにしなければならない。COBRA GOLDやBALIKATANのような合同演習は、各国間の合同作戦能力を高め、パートナー国が安全であると感じるために必要な能力を構築するのに役立つ。

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