WEDGE REPORT

2014年6月23日

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世界が注目する6年後の祭典で、東京は何を伝えるべきなのか。作家の乙武洋匡さんに聞いた。

 パラリンピックをなくしたいと思っています。障害のあるアスリートが活躍できる舞台をなくすべきと言っているのではなく、オリンピックとパラリンピックを一つの大会として開催できたらいいという考えです。

乙武洋匡さん

 現状を考えると、荒唐無稽だと言う人もいるでしょうが、そこまで無理な話だとは思っていません。例えば、柔道が体重別に階級が分けられているのは、体重差というハンディキャップをなくすため。それと同じで、身体障害や視覚障害などの身体機能ごとに階級を分けて競技すればいい。今すぐに実現するとは思いませんが、少なくとも6年後の東京では何ができるのか模索することは大切です。

 東京は、戦後復興から世界4位の都市になりました。今後、都市間競争の時代に何に価値を置いて都市の魅力を高めていくのか。これまでは、経済力に価値を置いてきましたが、そこは維持しつつも、別の魅力を高める努力をしなければならないと思います。

 その一つが「ダイバーシティ(多様性)」です。ほかの都市と比べて、東京はこれが決定的に足りていないと感じています。

ーーでは、乙武さんにとって、多様性のある都市とは。

 僕が好きな都市の一つに、タイのバンコクがあります。確かに、バリアフリーの整備は遅れていて、車椅子ユーザーの私にとって便利な都市では決してありません。でも、居心地の良さを感じました。

 例えば、バンコクではLGBT(レズビアン、ゲイ、バイ・セクシャル、トランスジェンダー)の方々への寛容さがあります。ニューヨークやシンガポールのような多国籍都市ではないけれども、障害者や外国人を含めて、いろんな違いを持った人たちも受け入れる懐の深さ、安心感がバンコクにはありました。

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