研究と本とわたし

2014年7月17日

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中田正則 (なかた・まさのり)

フリーライター

1956年京都府生まれ。早稲田大学卒。出版社等勤務を経て1986年に独立。以来、主として雑誌媒体で、ビジネス・経済・経営・人事分野の取材記事やインタビュー等を中心に執筆。

――佐々木先生は、原始仏教の研究で知られていますが、子どもの頃はどのような本を読んでおられたのでしょうか?

佐々木閑氏(以下、佐々木氏):私は福井県の三国町(現坂井市)という小さな町の出身で、その中でもさらに奥まった場所に家があったので、本屋は近所にはありませんでした。

佐々木閑氏(撮影:書籍部)

 でもクリスマスなどに、必ず両親が本を買ってくれたので、それがとても楽しみでした。例えば、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズなどは、クリスマスのたびに1冊ずつ買ってくれました。

 クリスマス近くになると、プレゼント用の本が当日まで私にわからないようにと箪笥の上に載せてあるのが見えるわけです。でも私は知らないふりをして、それでタイトルだけを見て、今度はどんなストーリーの本だろうかとワクワクしながら1週間くらい過ごしたりしていましたね(笑)。

 そんなふうに両親に買ってもらった本の中でも特にすばらしいと思うのが、講談社から出ていた『少年少女世界文学全集』です。これは私がまだ文字が読めない幼少時に、いずれ読むときのためにといって、50巻全巻揃えて家の書棚に並べてありました。

 別にこれを読みなさいと言われたこともないのですが、そのうち本を読む習慣がついてくると、自然と手が伸びて、それで読み出したらもう止まりません。次から次へとむさぼるように読みました。

 最近気づいたのですが、この全集が格別優れていると思うのは、安易な省略やごまかしがないこと。子ども向けといえども、数々の専門家が力を結集してしっかりとした翻訳をしている。今の時代も、ぜひこういう本を出版して欲しいですね。

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