世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年8月21日

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 2014年7-8月号の米Foreign Affairs誌に、James B. Steinberg前米国務副長官及びMichael O'Hanlon米ブルッキングス研究所上席研究員が連名で論説を寄せ、

 米中両国は、冷戦時代に米ソ間に存在したような軍首脳同士の間にホットラインを設定し、危機的状況下で迅速に対話出来るようなメカニズムを作るべきである、と述べています。

 すなわち、米中双方の間で偶発的ないし故意による衝突が発生する確率は高まりつつある。それを如何に回避するかは重大な課題である。中国の指導者たちは、中国の台頭は「平和的」であり、近隣諸国への脅威となるものではない、と述べてきた。しかし、歴史を見れば、「強力なパワー」と「台頭するパワー」が衝突した例はいくつもある。

 オバマ政権は、アジアへの回帰政策は、中国を封じ込めたり、中国を脅迫したりするものではなく、地域の安全を高めるためのものであると述べてきた。中国は、逆に、米国は自らの覇権を保持するために、中国の台頭を抑えようとしていると非難してきた。

 米国から見た最大の不安定要因は、中国の軍事費が急速に増大してきたことであり、しかもその意図が極めて不透明なことだ。

 中国はその「A2/AD(接近阻止・領域拒否)原則」について、もっと透明度の高い説明をすべきである。そうすれば、米国としては「エア・シー・バトル」についてもっとはっきりとした説明が出来るようになるだろう。

 冷戦期の信頼醸成措置の典型は米ソ間の戦略的兵器管理協定であった。これによって、米ソは危機管理の能力を強め、また核兵器の管理を行った。

 米中間の軍事的衝突が最も起こりやすいと考えられるのは、東シナ海と南シナ海である。これらはすぐに解決される見込みはない。

 米中両国は、より明確で直接的なコミュニケーションのためのメカニズムをつくりだす必要がある。米中間では1998年以降、両国は政治指導者間のホットラインをもってきた。しかし、それは軍と軍の間のコミュニケーションのためには機能していないようだ。それは、中国がそのような形の関与を嫌っているからである。

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