世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年9月4日

 フィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学講師で、同国下院政策顧問でもあるリチャード・ヘイダリアンが、National Interest誌ウェブサイトに、7月21日付で「アジアの最も危険なライバル関係、日本対中国が熱を帯びてきている」との論説を書いています。

 すなわち、日本は「集団的自衛」を採用し、より大きな国際責任を果たす「普通の国」への運命的一歩を踏み出した。それには、安倍総理の強い意志と、尖閣についての中国との紛争が背景にある。

 米国の対中政策の不確実性、米国防予算削減への懸念は、日本が自立することを後押ししている。米国は日本の方針変更を歓迎している。日米防衛ガイドラインは改定される予定で、日米同盟はもっとダイナミックなものになろう。

 中国は日本の再興を懸念し、日本が軍国主義の過去を繰り返そうとしていると宣伝している。しかし、これは、地域の指導的役割についての日中のライバル関係の出現である。米国はバランサーの役割に居心地の良さを感じるだろう。

 日本の積極的外交は、国内的な抵抗にあっている。戦争の記憶はパシフィズム(平和主義)の強い潮流になっている。そこで、安倍総理は、憲法改正ではなく、憲法解釈の変更を選択した。これは、自衛隊設立の時と同じである。

 日本は世界で最強の軍の一つを保有しつつも、第1次、第2次湾岸戦争ではさしたる役割を果たせず、資金支援などにとどまった。日本の防衛予算は2000年には中国の国防費より60%多かったが、今は中国の3分の2である。

 安倍政権は日本をより意味のあるパワーにしようとしている。日本は、中国の領土瀬戸際政策をアジアの小国が神経質に見守る中、その歴史的指導力を再主張する機会を見出している。大東亜共栄圏は悪夢に終わった。しかし、プラザ合意後の日本は、繁栄する無害な日本であり、雁行型発展とされた成長のエンジンであった。

 中国が東南アジア諸国の重要貿易国になるに従い、日本の重要性は減ってきた。その上、中国は軍事に関し日本のような自制はしない。韓国は中国にすり寄っている。

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