対談

2014年10月6日

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地方のリーダーシップは「絶滅の危機」にある

飯田:地方の問題だけでなく、国政レベルでもしきりに言われるのが「リーダーシップが求められる」という意見です。でも、民主的な状況でのリーダーシップ待望論は、根本的な矛盾を抱えています。

 もっと簡単な状況は、その地域に権力者がいて、その人さえ口説けばなんとかなるというものです。『農業で稼ぐ経済学』(浅川芳裕との共著、PHP研究所)でもお話ししたことですが、「豪農」が名家として残っている地域では、農業改革ができる。庄屋や名主の家が没落していなくて、かつ、地元で仕事をしているのであれば、何をやるにも話は早いということですね。

木下:たしかに温泉街でプロジェクトをやったときも、代々有力者の家系でなおかつ元町長という方が「やるぞ!」と声をかけてくださったら、あっという間に進んだことがありました。

飯田:リーダーシップという言葉だとふんわりとした、清廉潔白なニュアンスが強いんですけど、要するに「権力者が残っている方がまだ望みがある」という話なんですよね。

まちをひとつの「会社」に見立てて経営を立て直す事業に携わる木下斉さん

木下:誰が決めればいいのかがわかっている街は強い、それは明確にそうですね。意思決定をする段階でそれまで表に出てこなかった人たちが急に大挙してやってきてめちゃくちゃな意見を出してきてしまう場所だと、結局落とし所が見えない。やるのかやらないのかさえ意思決定出来なかったりします。僕らはそのような地域は諦めます。やることさえ決められないのであれば、前に進まないですから。

飯田:やはり交通網も発達しているから、事実上の責任者になってくれそうな地元財界人は、一定以上の成功を収めると地元からいなくなってしまいますしね。

木下:本当にそうなんですよ。僕の知っている地方のお金持ちは多くは、家は地元にある。でも東京にセカンドハウスも持っていて、週の半分かもしくはウイークデーは東京に来ている。週末だけ地元に戻るけど、友だちは東京のほうが多いという人も少なくありません。息子娘は高校の時から海外、という人もいますからね。

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