満月の日は、出産が多くなるのか?

統計で見る「赤ちゃんが生まれる日時」の不可思議


勝村久司 (かつむら・ひさし)  高等学校地学教諭、元厚生労働省医療安全対策検討WG委員

1961年生まれ。京都教育大学理学科卒業。高等学校地学教諭。1990年、陣痛促進剤による被害で長女を失い、医療事故や薬害などの市民運動に取り組む。厚生労働省の中央社会保険医療協議会や日本医療機能評価機構の産科医療補償制度再発防止委員会などの委員を歴任。2015年8月より群馬大学附属病院で腹腔鏡等で死亡事故が相次いだ事件の医療事故調査委員に就任。著書に『ぼくの星の王子さまへ』(幻冬舎文庫)、共著書に『どうなる!どうする?医療事故調査制度』(さいろ社)など。

患者もつくる 医療の未来

写真:アフロ

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子宮の中で夢見る胎児……ときどき寝返りをうちながら。それは、お母さんのやさしい声を聞きながら、壮大な時の流れをたどっている1つの「いのち」です。

 太陽に近すぎず遠すぎず、そのために蒸発も凍結もせずに存在する柔らかな海が、この惑星に奇跡の生命を誕生させました。子宮を満たす羊水は、太古の原始の海の組成に似ていると考えられています。

 そして、そのお母さんの子宮の中で、胎児は、単細胞の生命が誕生してから、多細胞生物となり、魚類、両生類、ほ乳類と、「人」に至るまでの進化の軌跡をたどるのです。

 この40億年近い生命の進化の間、地球は自転をしながら太陽の周りを公転していました。また、地球の周りでは月が公転を続けました。その結果、地球上の自然は、太陽や月の周期である、一日や一月(一朔望月)、一年などのリズムを繰り返しています。

 自然の一部である現代の「人」が生まれる日時も、そのような影響を受けているでしょうか?

赤ちゃんは「おはよう!」が好き

【図1】日本の場所別出生数
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 医療介入がない助産所で生まれている赤ちゃんの割合は、【図1】のように、全体の1%弱だけです。1984年から2012年までに、助産所で生まれた全ての赤ちゃんで作った、時間別の出生数グラフが【図2】です。朝に少し増え夕方に少し減る、きれいな海の波のようなリズムがあることがわかります。

 「お産が始まるきっかけは、胎児の脳から母胎に向かって出されるホルモンだろう」と考えられていますが、このようなきれいなリズムができる理由は簡単には説明できないでしょう。しかし「人」は朝の出産に向けて、夜間に分娩を進行させる割合が多いことがわかったのです。

【図2】助産所での時間別出生数
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 筆者は、1993年頃から日本の出生数のデータを元に色々なグラフをつくり、新聞等で紹介してもらって来ました。その中で、【図2】と同様のグラフを初めて掲載してもらったのが1995年5月27日の毎日新聞(大阪本社発行分)の記事で、そのときのタイトルは「赤ちゃんは『おはよう』が好き」とでした。

 この24時間周期のリズムは、日の出、日の入りの太陽の影響を受けているように見え、それは即ち、地球の自転の影響と言えます。一日の朝夕のリズムは、今も私たちの生活に大きく関わっていることですから、このように関連性が浮かび上がっても不思議ではありません。

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「患者もつくる 医療の未来」

著者

勝村久司(かつむら・ひさし)

高等学校地学教諭、元厚生労働省医療安全対策検討WG委員

1961年生まれ。京都教育大学理学科卒業。高等学校地学教諭。1990年、陣痛促進剤による被害で長女を失い、医療事故や薬害などの市民運動に取り組む。厚生労働省の中央社会保険医療協議会や日本医療機能評価機構の産科医療補償制度再発防止委員会などの委員を歴任。2015年8月より群馬大学附属病院で腹腔鏡等で死亡事故が相次いだ事件の医療事故調査委員に就任。著書に『ぼくの星の王子さまへ』(幻冬舎文庫)、共著書に『どうなる!どうする?医療事故調査制度』(さいろ社)など。

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