ゴーストタウンを生み続ける
中国不動産市場の怪

ランキング1位はやはり内蒙古 あと50カ所出現も?


弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)  早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

中国メディアは何を報じているか

(写真:アフロ)

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中国のニュースサイトで最近、話題になり、転載され続けている一つのランキングがある。それは「ゴーストタウン・ランキング」だ。ランキングと分析記事を掲載したのは『投資時報』という湖北省を拠点とする長江日報メディア集団傘下の経済紙である。

 中国の各地に現れた「ゴーストタウン」については日本でも注目され、報道番組でも取り上げられてよく知られるようになっている。中国の庶民に人気が高い中国特有の金融商品「理財商品」による資金の投資先が不動産市場であることからも市場が過熱し、バブルへの懸念が高まった。しかし、それはもはや過去の話。ここ1、2年は不動産価格が高止まりし、投げ売りに止まらず、既にバブルははじけ、それもかなり深刻だという見方が出ている。こうした中で指摘されるゴーストタウンの問題は不動産市場の低迷どころではない地域経済全般に将来にわたって関わる深刻な問題だ。

ゴーストタウン大量出現で
国土資源部が抑制に乗り出す

『投資時報』本特集掲載445号表紙
http://message.zmoney.cn/e.aspx?vid=72

 『投資時報』が10月13日に掲載した、「2014年ゴーストタウン・ランキング」の記事は不動産関係者や財界にとどまらず、中国中の注目を浴び、様々な不動産業界のサイトを始め、『鳳凰網』のようなメジャーサイトにも転載され、不景気の深刻さを印象付けるものとなっている。

 「中国のゴースト探索記」と題したこの特集では「中国では50の“ゴーストタウン”が出現 国土資源部が“ゴースト”抑制に乗り出す」と題する記事など3本が掲載されている。

 記事のランキングで1位になったのは内蒙古自治区の二連浩特市。この「ゴーストタウン指数」では2位以下に大きく差をつけるぶっちぎりの結果だった。2位以下では、欽州、ラサ、嘉峪関、井岡山、威海、錫林浩特と続く(ランキング表を参照のこと)。ランキングではトップ50の都市を列挙しているが、こうした都市を見て気づくのは、少なからぬ観光都市が入っていることであり、リゾート開発で多くの投資資金が呼び込まれたことが窺える。

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「中国メディアは何を報じているか」

著者

弓野正宏(ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

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