田部康喜のTV読本

2014年11月26日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 築70年近い2階建ての木造アパート「野バラ荘」の庇(ひさし)越しに、高さ200mの超高級マンションが見える。

 ふたつの建物に住む人々がふとしたきっかけで交錯して、10年前の2004年にその事件は起きる。

野バラ荘
杉下 希美 Nozomi sugishita (榮倉奈々) 大学3年生、瀬戸内の島出身
安藤 望  Nozomi andou(賀来賢人)大学4年生、長崎沖の島出身、商社の就職内定
西崎 真人 masato Nishizaki(小出恵介)大学留年2年目、作家志望
そして、住まいは別だが、杉下の高校の同級生
成瀬 慎司 shinji Naruse(窪田正孝)大学3年生、高級レストランのアルバイト

超高級マンション
野口 貴弘 takahiro Noguchi(徳井義実)商社のエリート課長
野口 奈央子 Naoko noguchi(小西真奈美)貴弘の妻

 主要な登場人物がイニシャルに「N」を持つ。TBS金曜ドラマ「Nのために」は、事件がいったい誰のためになされたのか。

サスペンスドラマの新境地を拓く

 原作は湊かなえ氏の同名小説である。映画化されたベストセラー「告白」によって、日本のミステリーの潮流を変えた、といわれる同氏の今回作品の映像化もまた、サスペンスドラマの新境地を拓くものである。

 原作には登場しない、杉下と成瀬の出身地の駐在を務めていた元警察官の高野茂(三浦友和)が関係者のところを歩きながら、その謎に迫る。

 高層マンションの48階の野口夫婦の部屋で、ふたりの死体が横たわる。そこには、杉下(榮倉)と西崎(小出)、成瀬(窪田)が呆然として立っている。部屋の外には安藤が。

 警察と消防隊が駆けつけて廊下は騒然となっている。

 西崎(小出)はこう告げる。

 「わたしがやりました」

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