世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年2月13日

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 米ワシントンポスト紙は、1月14日付の社説で、スリランカの予期せぬ政権交代は民主主義にとって大きなプラスであり、スリランカのシリセナ新政権を支持・支援すべきである、と論じています。

 すなわち、前閣僚のシリセナが予想に反して選挙で現職のラジャパクサ大統領に勝ったことは、スリランカの民主主義の強固さを示している。シリセナ新大統領は憲法を改正し、大統領権限を縮小し、議会内閣制を作るとしている。また司法の独立を再興し、腐敗をなくすとしている。

 この自由主義的な改革には強い抵抗がありうる。議会でのラジャパクサ支持者は新首相ウイックレメシンゲの任命と内閣形成を阻止しようとしている。憲法改正、最高裁長官交代には議会の3分の2の多数がいる。

 インドと西側民主主義国は新政府の成功に大きな利益を持つ。ラジャパクサは人権侵害で国連などから非難され、中国に接近した。習近平はコロンボ港の建設、15億ドルのプロジェクトを推進した。最近の中国の潜水艦訪問は両国の戦略的関係を示している・

 新政府はインド、パキスタン、日本、中国との関係をバランスさせるとして、港湾プロジェクトをキャンセルし、中国との契約の腐敗を調査するという。民主化すれば、スリランカは中露の権威主義よりも米印の自然な同盟国に復帰する。オバマは選挙結果を歓迎し、スリランカとの関係強化を望むとしたが、米国の対アジア関与と民主主義の推進に思いも寄らない良い機会が出てきた。米国はシリセナ政権を全面的に支援すべきである、と述べています。

出典:‘An unexpected change of power in Sri Lanka is good news for democracy’(Washington Post, January 14, 2015)
http://www.washingtonpost.com/opinions/an-unexpected-change-of-power-in-sri-lanka-is-good-news-for-democracy/2015/01/14/d3b698f2-9b4a-11e4-96cc-e858eba91ced_story.html

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 この社説は、的を射た良い内容です。ラジャパクサ大統領は強権的な政治と親族の重用など、権威主義的な政治を行い、外交面では中国にあからさまに接近していました。今回の選挙ではそれに対する反動が出たということになります。ワシントンポストの社説が言うように歓迎すべき結果です。スリランカは民主主義に回帰し、外交面においても、インド、日本、米国に接近することになるでしょう。新政権は支持に値します。

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