対談

2015年4月14日

»著者プロフィール

マネジメントの不在と、マネジメント幻想からの脱却

丸山:マネジメントのレベルで合理性がないと厳しいですね。そこで僕が久松さんに聞いてみたかったこととつながるのですが、久松農園みたいな多品目栽培って、畑のマネジメントとして合理的なんですか?

久松:あんまり合理的じゃないですね。

丸山:害虫へのリスクヘッジでは優位性がありそうだけど。

久松:まあ、そうですね。でもお客さんのニーズに応えるということのほうが大きいし、そうならざるを得ないところもあります。品目を絞って、ぎりぎり害がでないマネジメントができていれば何十ヘクタールも必要ないし、あるいはもっと広くやって三圃式農業で土地を休ませるとか、もっと簡単にやる方法はいくらでもある。あるけどそこに価値を感じなくて、色とりどりの素敵さがあることが一番大きいかなあ。

 露地で有機栽培でやっています、といっても実際には防虫ネットや保温資材で被覆している時期がほとんどで、6月と11月のほんの一時期だけ、虫もいないし保温もしなくていい時期があって、畑の姿が表れるのはそのときだけなんです。畑の美しさがそれだけしか見せられないのが弱いところで、実際に農場見学会もそのときにやると満足度が高くなるんです。多品種でかつ有機でやっていることの素敵さを見せられる時間は短いんです。

久松農園の畑(2013年5月撮影)

丸山:久松さんの本を読んでいると、農場見学よりも農園の仕事を丸一日眺めていたいなって思いますね。夜明け前から日暮れまで、どういう段取りで、どういう風に仕事をしているのかを見てみたい。それって一歩間違えば、トヨタのカイゼン方式と紙一重じゃないですか。なのになぜ、カイゼンのような労働者の疎外が起こらないんだろう?

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る