世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年4月17日

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 3月16日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、メイバス米海軍長官が、数は重要であるので、米海軍の艦艇の増強を進めて行くと述べています。

 すなわち、米海軍・海兵隊の世界展開を可能にするのは艦艇の数である。米の保有する艦艇の数を単純に他国のそれと比較するのは間違いである。なぜなら、米は、世界のリーダーとして、必要とされるところに迅速に展開する任務を持っているからだ。

 対ISIS作戦の最初の54日間、米の作戦は空母ジョージ・ブッシュのF/A18ホーネットのみによって実施された。西部アフリカのエボラ熱作戦では、大統領命令が出されたその日に、V22オスプレイで海兵隊を現場に展開した。2011年の東日本大震災に際しては、トモダチ作戦を実施し、16を超える艦船、130の航空機、1万2千人の要員が340トンの物資を運んだ。第二次大戦後、米海軍は公海を守ることによって、世界の海上貿易の90%と海底ケーブルによるデータ通信の95%を可能にした。

 しかし、米海軍の世界におけるプレゼンスを維持していくためには、艦船建造の投資を継続して行く必要がある。そのために、オバマ大統領は2016年国防予算で1610億ドルを要求している。厳しい財政事情のため、海軍は経費削減に努めるが、米国のプレゼンスを犠牲にするわけにはいかない。艦船の削減は米の安全保障と世界経済を危険にさらす。

 自分の海軍長官就任の2009年までは、米海軍の艦船量は減少していた。2001年の同時多発テロの時点で、米海軍は316の艦船を保有していたが、2009年には278隻まで減少した。長官就任前の5年間に発注された艦船はたったの27隻だった。自分の長官就任後の5年間には、70隻の建造を契約し、米国は2020年までに海軍艦船を300隻超まで増強する計画である。

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