地域再生のキーワード

2015年7月22日

»著者プロフィール
閉じる

磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

1962年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、東京証券部、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務める。11年からフリーに。熊本学園大学招聘教授。近著に『国際会計基準戦争 完結編』(日経BP社)。

市の面積の6割を国有林が占めるという秋田県仙北市。
「その資源を地域おこしに活用できないか」と立ち上がった生ハム作りのプロのもとに、市長を含めた各分野の「達人」たちが集い、点から面へと活動を広げている。

<秋田県仙北市>2005年に田沢湖町、角館町、西木村が合併して誕生。人口は2万8336人。東京から秋田新幹線で約3時間で到着する。

 日本一深い湖として有名な田沢湖を中心に広がる秋田県仙北市。秋田杉の産地としても知られる豊かな森林地帯とあって、市の面積の6割を国有林が占める。民有林を含めた森林全体の71%が国有林と全国平均の3割を大きく上回る。

 国の管理下にある国有林を、地域おこしの切り札にできないか─。東京・赤坂でスペイン料理店「セルベセリア・グランビア」を経営する金子裕二さんはずっと考えてきたのだという。

 秋田出身の金子さんは、長年、長期熟成型の生ハム作りに取り組んできた。その工房を6年ほど前に田沢湖を見下ろす高原に移したのだ。寒暖の差の大きい田沢湖高原の気候が生ハム作りに最適だと考えたからだ。

(左から)堀田雅人(ニュースカイ社長、ホテルの達人)、加藤義直(養豚の達人)、長岐俊彦(芸術の達人)、草彅三雄(木工の達人)、金子裕二(セルベセリア・グランビア社長、生ハムの達人)、千葉薫(マーケットミル社長、建設ICTの達人)、坂本公紀(無農薬農業の達人)

 金子さんが目指す生ハムは、本家本元のスペイン産にひけをとらない最高級生ハムだ。その原料になるイベリコ豚は、森に放牧され、どんぐりを食べて育つ。生ハムにするための豚を仙北市の国有林で放牧し、安全・安心な豚を自分自身で育てたい。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る