イノベーションの風を読む

2015年8月31日

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川手恭輔 (かわて・きょうすけ)

コンセプトデザイン・サイエンティスト

1990年代から、大手メーカーでインターネットサービスの企画・開発・運用を手がけ、自ら立案したグローバルなサービスを複数立ち上げた経験を持つ。その1つは、サービスのデザインでグッドデザイン賞を受賞した。コンピューターサイエンス関連の翻訳本も多数ある。

成功したものが自ら変わることの難しさを見る

 錦織圭選手の大活躍で、テレビで中継されるテニスの大会の数も格段に増えて、これまで興味がなかった多くの人もテニス中継を楽しむようになったようだ。心なしか、公営のテニスコートには、子供にテニスを教える家族連れが増えたような気もする。31日からUSオープン(全米)が始まるが、錦織は自己最高の4位にランクされている。

ATPツアーの構成
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ATPツアーの概要

 このランクは、男子の場合、ATP(アソシエイション・オブ・テニス・プロフェッショナル)のツアーの大会で獲得したポイントによって決められる。大会は、獲得できるポイントの大きさによって、優勝者に2000ポイントが与えられるグランドスラムから、マスターズ1000、500、250という順に4つに分類されている。それぞれ準優勝者には優勝の50%~60%、ベスト4にはさらにその50%~60%程度という具合にポイントが与えられる。

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 そして、過去の52週(1年)で、より高いポイントを獲得した18大会のポイントの合計でランキングが決まる。前年も同じ大会に出場した場合は、その獲得ポイントは消えて今年の獲得ポイントが加算されることになる。

 昨年、錦織圭選手が日本人として初めて出場して、出場選手に対するもてなしの豪華さが話題になったATPツアーファイナルは、その年の成績の上位8名(ポイントが低くてもグランドスラム優勝者は優先的に出場できる)だけが出場できる特別な大会で、出場者は18大会に加えて、その獲得ポイント(優勝者は最大で1500ポイント)も加算されるという特典がつく。

 ATPツアーの本戦に出場できるのは、250が120位ぐらい、500とマスターズ1000は50位ぐらいまで。グランドスラムは出場枠が広いので110位ぐらいまでで、あとは予選から出場しなければならない。100位以内に入れば、賞金やスポンサーからの収入で、ツアープロとして食べていくことができるという。ATPツアーの本戦出場者には、ホテル代や食事代がでて試合会場までの送迎もある。さらにランクが上がっていくと、その待遇(ホスピタリティー)のレベルがあがるだけでなく、有名選手を出場させたい大会主催者側から、ギャランティーと呼ばれる現金や追加のサービスも提供されるようになる。

 ATPツアー公式戦出場を目指す選手は、年間で850大会ぐらい開催される世界各地のATPチャレンジャーツアーとITFフューチャーズシリーズを転戦して、ポイント(優勝ポイントは18~125)を稼がなければならない。現時点ではATPには2236人がランクされており(最下位の獲得ポイントは1)、その中に日本人は71人含まれている。現在トップにいる選手たちも、そこからスタートし、だいたい2年ぐらいかかって100位の壁を越えてきている。

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