定年バックパッカー海外放浪記

2015年11月8日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

ギリシアで最後の地“イグメニッツア”の港にて(承前)

 6月1日午後10時半。イグメニッツアのターミナルで待つこと12時間。やっと乗船手続き開始のアナウンス。待ち疲れた数十人の船客はいっせいに立ち上がり検札を通過して出入国管理の窓口で列をつくる。15分もしないで手続きは完了し桟橋に出た。かなり風が強くしかも寒い。慌ててダウンジャケットを着込む。どうもフェリーが遅延しているらしい。ロードス島の桟橋の悪夢を思い出し暗澹たる気分に。

 時計は11時前である。「フェリー到着は1時間遅延して午前2時頃らしいよ」と近くにいたカップルが教えてくれた。3時間は埠頭で待機しなければならない。カップルは背の高いオランダ人の女子と小柄な米国男子であった。埠頭の照明灯のコンクリートの土台に座って彼らが持参していたお菓子を食べながらおしゃべり。

埠頭の照明灯の下で米国男子とオランダ女子のカップル

 私が日本人だと分かると村上春樹を知っているかと聞いてきた。海外のバックパッカーと話していると「村上春樹をどう思う」「村上春樹のどの作品が好きか」とかかなり頻繁に聞かれる。このカップルもかなりの村上教信者のようでありゲストハウスの本棚に英語版の“海辺のカフカ”があったのでもらってきて、二人で一章ずつかわりがわりに読んで読後感想を交換していると。素敵な旅をしているなと羨ましく思った。村上春樹論に熱中していたら1時間はあっという間に経過した。

 二人がどうして知り合ったのか聞くとネットで知り合ったという。一年間ネット恋愛して昨年女子が男子の住んでいるデンバーを訪問して初対面したとのこと。初対面のときは想像と異なり違和感がなかったかと聞くと、「毎日スカイプで相手を見ながら会話していたので違和感は全くなかった」と女子が即答。

 男子は元スノボー選手であり幾つかの大会で優勝した経験もあると。現在冬季は故郷のデンバーでスノボー、スキーのコーチをして夏場はオーストラリアなど南半球のスキー場で教えていると。女子は容貌が少し東洋系の雰囲気なので聞くと祖母が在インドネシア華僑とのこと。インドネシアがオランダ植民地の時代に祖父と知り合ったと。

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