定年バックパッカー海外放浪記

2016年1月17日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

地方を巡り普段着の韓国を探る
・期間:2014年8月30日~10月2日
・旅行費用:12万円

近道は鬼門なり
“冬ソナ”は遠く、春川までの彷徨

 9月20日 安宿を8時出発。コスモス街道、国道44号線を洪川(ホンチョン)目指して南西に進む。山口百恵の“秋桜”を想い出す穏やかな秋日和である。緩い下り坂がしばらく続いて慢心していたら、そのうちに上り下りが連続する山道となってきた。洪水市街まで直線で50キロ以上ある。北漢江(べクハンガン)に沿ってソウルを目指せば常に緩い下り坂である。洪川市街手前8キロあたりで北漢江方面への分岐点があった。

 “冬ソナ”で有名になったダム湖に面した春川(チュンチョン)に行くには最短ルートである。国道ではないがきれいに舗装されており交通量も少なく走りやすそうである。山を越えれば下って一気に春川に到達できると判断して北東方向に転進。

山中彷徨の果て、夕暮れに高台から湖水の街、春川市街を望む

 二時間くらい山道をだらだらと上ったが、その先はさらに低い山が連なっている。春川まで20キロくらいの地点に到達しているはずだが一向に川や湖が見えない。それに車がほとんど走っていないことにふと気づいた。北漢江水系に入っているはずで分水嶺は越えているはずだが。

 3時を過ぎても対向車が全く来ない無人の舗装道路のアップダウンが続く。喉が渇いてきた。荷物を少しでも軽くするため常に水は最小限しか積んでいない。思えば昼食に道端で菓子パンを食べた時に水を飲み切っていた。

 4時を過ぎても状況は変わらずまったく車が見えない。風の音以外は鳥の鳴き声しか聞こえない。人間世界から幽界に彷徨い込んでしまったのか。日が陰ってくる。日没前に何としても春川に着きたいが韓国全図の観光地図では現在位置が掴めない。

 多少遠回りではあるが洪川市街から国道5号線を直進していれば4時には春川に到達できたはずである。後悔先に立たず。サラリーマン生活で散々経験した“楽をしようとイージーウェイを選択すれば必ず倍返しの苦労をする”という教訓を思い出した。

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