シリコンバレーが狙う大麻ビジネス


土方細秩子 (ひじかた・さちこ)  ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

WEDGE REPORT

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シリコンバレーが次のビジネスチャンスとして注目しているのは、大麻ビジネスだという。数多くのベンチャーが大麻関連の起業を行い、今後数年間でビッグビジネスに成長する可能性がある。

 現在米国で大麻を合法と認めているのはコロラド、ワシントン、オレゴン、アラスカの4州に加えワシントンDC。医療目的の大麻を合法としているのはこれら4州を含む23州に上る。「次に大麻を完全合法化する可能性のある州」としてマサチューセッツ、ネバダ、カリフォルニア、ニューヨーク、バーモント、ミネソタ、コネチカット、メリーランド、ロードアイランド、メーン、デラウェアの11州の名前が挙がっている。

カリフォルニア州グラスバレーにある大麻を栽培する施設(Getty Images)

大麻の購入がオンラインで可能

 昨年1年間の「合法大麻」の売り上げは全米で27億ドル。しかしマリファナ・ビジネス・ファクトブックによると今後レクリーエンション大麻合法化が進むことで、2018年には全米の売り上げが80億ドルに到達する可能性がある、という。

 この比較的新しい「商品流通」に、シリコンバレーのテクノロジーが興味を示している。連邦政府が大麻を非合法としている以上、大手ソフトウェア会社などが手を出さない分野だけに、新規ベンチャーが自由に参入、売り上げを大きく伸ばしつつある。

 例えばHelloMDという会社は、ネットで50ドルの相談料を支払うと、医師とのビデオチャットができる。ほとんどの場合医師が「医療大麻の使用に適合する症例」との判断を下し、メールで医師の処方箋が手に入る。これがあれば医療用大麻を合法としている州では大麻を購入できる。

 こうした「患者と医師をつなぎ大麻を処方する」ビジネスは増えており、中には大麻の購入、配達もオンラインで行うところもある。大麻のサプライチェーンを作り上げることで、生産から販売までを管理する。

 生産部門では、スマホアプリで種まきから収穫までを細かく管理するソフトウェアの提供ビジネスも盛んだ。生産者はアプリで栽培の温度管理、水やりのタイミング、出荷時期などをチェックできる。

 消費者と生産者をつなぐアプリとしては、消費者の大麻使用をモニターして在庫がなくなりそうなタイミングで注文を取る、というものもある。大麻には様々な種類があるが、消費者の嗜好をチェックし、どの年代にはどのタイプが売れ筋か、などを生産者に知らせる機能もあるという。

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土方細秩子(ひじかた・さちこ)

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ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

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