WEDGE REPORT

2016年2月24日

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 米国とロシアが22日発表したシリア内戦の停戦に関する共同声明はロシアのプーチン大統領の目論見通りの内容になった。プーチン氏はアサド・シリア政権の正統性と主権をかねてから主張してきたが、発表された合意の内容はその狙いがまさに盛り込まれたもので、アサド大統領はたたみかけるように4月に議会選挙を実施すると宣言した。

全てはプーチン大統領のシナリオ通りに(iStock)

停戦の発効は大きな疑問

 今回の発表は、ケリー米国務長官とラブロフ・ロシア外相による一連の地ならしを受けたオバマ米大統領とプーチン大統領が電話会談して合意した。内戦の当事者であるアサド政権と反体制派の双方に27日午前0時(日本時間27日午前7時)からの停戦入りを呼び掛ける内容だ。

 このため米ロは双方に対して26日正午(日本時間26日午後7時)までに停戦受け入れを約束するよう求めた。米ロは停戦地域の指定や 停戦監視のため、ホットラインを設置することでも合意した。過激派組織「イスラム国」(IS)と国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」とのテロとの戦いは継続する、としている。

 プーチン氏のしたたかぶりが発揮されたのがまさにこの過激派との戦いについての文言だ。共同声明は「シリア軍、ロシア軍、米主導の有志国連合は空爆を含めISやヌスラ戦線に対する軍事作戦を継続する」と明記し、アサド政府軍をテロとの戦いの「正統な」当事者として認めている。

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