米大統領選は、共和党トランプ、民主党クリントンが優勢だが、3月8日に行われたミシガン州の予備選挙の結果が波紋を呼んでいる。同州は代議員数が多いことでも注目されていたが、同州の有権者の構成は年齢、収入、学歴が全米の縮図になっているため、全米の大統領選の結果をある程度予測することにもなる。共和党ではトランプが36.5%、クルーズ24.9%、ケーシック24.3%、ルビオ9.3%の得票率となり、トランプが大統領選でもかなり得票する可能性が見えてきたと考えられるようになった。
共和党主流派に脅威となっているトランプ
この結果は共和党主流派には脅威だったとみえ、3月11日にはルビオ陣営の幹部が、15日に予備選が行われるオハイオ州でトランプを勝たせないためには、同州知事のケーシックに投票するのが最善と呼びかけた。むろん、フロリダ州では同州上院議員のルビオに投票するようにも呼びかけている。
ルビオも、ケーシックとトランプ阻止の話し合いをしたことはないとしながら、オハイオ州では、明らかにケーシックのほうが有利なのでトランプ阻止のためケーシックに投票すべきとしている。また、フロリダ州で、クルーズ、ケーシックに投票するのはトランプに投票するのと同じだとして、ルビオへの投票を訴えている。
ルビオ陣営が、トランプに勝てそうな候補に投票を集中するように呼びかけているのは、オハイオ州66人、フロリダ州99人の代議員は1位の候補者が総取りできる制度になっているからだ。CNNが3月11日に発表した世論調査では両州共にトランプがリードしている。オハイオ州では、トランプ36%、ケーシック34%、クルーズ17%、ルビオ8%だ。フロリダ州では、トランプ40%、ルビオ26%、クルーズ18%、ケーシック8%だ。
ミシガン州では、事前の3つの世論調査の平均ではクリントンが21%の差をサンダースに付けていたが、結果はサンダースが49.8%と1.5%の僅差でクリントンに勝った。サンダースは今まで投票が行われた州では非白人票に弱いとされていたが、ミシガン州の出口調査では黒人票の30%をサンダースが獲得しているとの結果があり、これからの予備選でもサンダースがかなり得票するのではないかとの見方が出てきている。