トランプとサンダース
ポピュリスト旋風は続かない

コノリー米下院議員に聞く


海野素央 (うんの・もとお)  明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

海野素央のアイ・ラブ・USA

コミュニケーションの専門家が、大統領選挙活動を中心にアメリカの動向を報告するほか、インターナショナルな場面でのコミュニケーションのあり方を説く。

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今回のテーマは、「ジェリー・コノリー下院議員(民主党・バージニア州第11選挙区)がみる2016年米大統領選挙」です。コノリー下院議員は、特別代議員の一人でヒラリー・クリントン候補を支持しています。下院外交委員会及び下院監視・政府改革委員会に属し、米下院超党派議員団のメンバーとして、訪日した経験もあります。

 2010年2月24日(日本時間25日)に開催されたトヨタ公聴会では、豊田章男社長に対して責任を追及し、感情的になる議員が少なくありませんでしたが、コノリー議員は冷静に事実関係のみを確認していたのが印象的でした。日本とは縁があり、選挙に立候補するまで国際ビジネスマンとして、マツダや旧富士銀行のコンサルタントをしていました。そのコノリー議員がインタビューに応じてくれました。

ジェリー・コノリー下院議員(右)(@コノリー事務所ワシントン下院レイバーンビル)

筆者 「ドナルド・トランプ候補は、アメリカとメキシコの国境に壁を作る」と繰り返し主張しています。

コノリー 「想像してみてください。あなたが住んでいる町では、以前は白人の人口が90%であったとしましょう。ところが、徐々に移民が町に入ってきた結果、白人の人口は50%まで減少してしまいました。あなたは、どのように感じますか」

筆者 「不快に感じたり、怒ったり、恐怖心を持ったりするでしょう」

コノリー 「その通りです。白人の有権者はそのように感じているのです。私の選挙区であるバージニア州北部には(人種や民族の)多様性があります。スーパーチューズデーは、ルビオ上院議員(共和党・フロリダ州)がトランプ候補を破りました。多様性がある選挙区では、トランプは勝てません」

筆者 「トランプ候補は、『アメリカを再び偉大な国に取り戻す』というスローガンを掲げています」

コノリー 「誰から誰に取り戻すのか考えてみてください」

筆者 「非白人の移民から白人に取り戻すという意味ですか」

コノリー 「その通りです」

筆者 「トランプ候補の核となる支持者は、低所得者の白人男性で、学歴は高卒以下です」

コノリー 「低所得よりも教育の要因が大きいでしょう。トランプは間違った情報を与えて、彼らを誤解させています。しかし、彼らはトランプの情報を信じています」

筆者 「学歴が高卒以下の白人男性は、十分な情報を持っていないので、判断できないのではないでしょうか」

コノリー 「そう言えるかもしれません」

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海野素央(うんの・もとお)

明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

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